業界の集まりで聞いた。「あそこ、先月潰れたらしい」。
同業者の倒産。他人事ではない。同じ原材料を使い、同じ業界で、同じようなコスト高騰に直面している。「あそこが潰れたなら、うちも危ないのではないか」。夜、眠れなくなる。
ナフサ高騰に端を発する原材料費の急騰は、2022年以降、中小企業の倒産件数を増加させています。東京商工リサーチの調査によれば、「物価高」を要因とする倒産は年々増加傾向にあります。
しかし、同じ業界で同じコスト高騰に直面していても、倒産する企業と生き残る企業がある。その違いは何か。この記事では、倒産する企業の共通パターンを分析し、自社を守るための5つの防衛策を解説します。
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倒産する企業の5つの共通パターン
パターン1:価格転嫁ができていない。原材料費が上がっているのに、販売価格を据え置いたまま。利益がゼロになっても「値上げしたら客が離れる」と恐れて値上げに踏み切れない。赤字が積み上がり、手元資金が枯渇して倒産。
パターン2:借入に頼りすぎている。原材料費の高騰分をビジネスローンで補填し続けている。しかし返済負担が毎月増え、いつしか「返済のために借りる」自転車操業に陥る。新たな借入ができなくなった時点で資金ショート。
パターン3:1社に依存している。売上の大部分を1社の取引先に依存している。その1社が取引条件を悪化させた、または取引を終了した瞬間に事業が成り立たなくなる。
パターン4:手元資金の余裕がない。緊急予備資金がゼロの状態で経営している。1つの想定外(取引先の入金遅延、設備故障、売上の急減)で即座に資金ショート。
パターン5:問題を先送りしている。「いつか原材料費が下がるだろう」「いつか景気が良くなるだろう」と待っているだけで、具体的なアクションを取っていない。待っている間に資金が尽きる。
これらのパターンに1つでも該当するものがあれば、今すぐ対策を打ってください。
防衛策1:価格転嫁を今月中に実行する
同業者の倒産を目の当たりにした今が、値上げを実行する最大のチャンスです。なぜなら、業界全体が値上げの必要性を認識しているタイミングだからです。
「同業他社も倒産するほどのコスト高騰が起きている」という事実が、取引先への説明の根拠になります。「業界全体で価格が見直されている中、弊社も原材料費の上昇分を反映した価格改定を行います」。
値上げ交渉の方法は個人事業主の値上げ交渉術を参照してください。
原材料費の価格転嫁は原材料費が上がったのに値上げできない中小企業の価格転嫁ガイドを参照してください。
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防衛策2:手元資金を厚くする
倒産する企業と生き残る企業の最大の違いは「手元資金の余裕」です。
売上が同じでも、手元に3ヶ月分の運転資金がある企業は、一時的な売上減少や入金遅延に耐えられる。手元資金がゼロの企業は、1つの想定外で資金ショートする。
今のうちに手元資金を厚くしてください。日本政策金融公庫のセーフティネット貸付(年1〜2%台)で、まとまった運転資金を低コストで確保する。売掛金があればファクタリングで即日現金化し、手元に現金を積み上げる。「まだ大丈夫」と思っているうちに動くことが重要。追い詰められてからでは選択肢が限られる。
ファクタリングの詳細はファクタリングおすすめ比較7選を参照してください。
ビジネスローンの比較はビジネスローンおすすめ比較8選を参照してください。
運転資金の考え方は個人事業主の運転資金はいくら必要かを参照してください。
防衛策3:取引先を分散する
1社依存の状態は、その1社の動向次第で事業が存続するか否かが決まる。自分の事業の命運を、他社に預けている状態。
同業者の倒産を見て「うちも危ない」と感じたなら、今すぐ2社目、3社目の取引先を開拓してください。理想は1社あたりの売上依存度を30%以下にすること。
取引先の分散は取引先が1社だけの個人事業主のリスクと対策を参照してください。
防衛策4:借入を整理する
複数のビジネスローンを抱えている場合、返済負担を軽減する。リスケジュール(返済条件の変更)を借入先に交渉する。低金利の公庫融資で高金利のビジネスローンを借り換える。
リスケジュールの方法は借入の返済が苦しい個人事業主のリスケジュールを参照してください。
借金の一本化は借金を一本化したい個人事業主の方法と注意点を参照してください。
防衛策5:「待つ」のをやめて「動く」
「ナフサが下がるのを待つ」「景気が回復するのを待つ」。待っている間にも、手元資金は減り続けます。
生き残る企業の共通点は「動いている」ことです。値上げ交渉を始める。新規の取引先を開拓する。コスト構造を見直す。資金調達を申込む。
同業者の倒産を「他人事」にするか「自分への警告」にするか。その判断が、あなたの事業の未来を分けます。
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