資金調達

コスト削減はもう限界|これ以上削れない中小企業が利益を取り戻すための転換策

サブスクは全部解約した。事務所を縮小した。電力会社も変えた。スマホも格安SIMに変えた。広告費も削った。これ以上、何を削ればいいのか。

コスト削減を徹底してきた中小企業の経営者が、最終的にたどり着くのが「もう削れるものがない」という壁です。

この壁にぶつかったとき、多くの経営者が「もっと削らなければ」と考えます。しかし、それは間違いです。削れるものがなくなったら、次にやるべきは「削る」ではなく「稼ぐ」への転換です。

コスト削減は「守り」の戦略。しかし守りだけでは利益は生まれません。守りを固めた上で、「攻め」に転じる。この記事は、その転換のための具体策を伝えます。

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「削る」の限界と「稼ぐ」への転換

コスト削減には限界があります。家賃はゼロにはならない(自宅兼事務所でもゼロではない)。通信費はゼロにはならない(スマホがなければ仕事ができない)。原材料費はゼロにはならない(材料なしで製品は作れない)。

一方、売上には理論上の上限がありません。単価を上げる、顧客数を増やす、新しい商品・サービスを作る。売上を増やす方法は無限にあります。

「月10万円のコスト削減」の限界に達したなら、「月10万円の売上増加」に注力してください。同じ10万円の利益改善ですが、売上増加の方が事業の成長につながります。

転換策1:単価を上げる(値上げ+高付加価値化)

最も即効性があるのは単価の引き上げです。

単純な値上げ:現在の製品・サービスの価格を5〜10%引き上げる。コスト削減の限界に達しているのであれば、値上げは「次にやるべきこと」の筆頭。

高付加価値化:製品・サービスにプレミアム版を追加する。通常品とプレミアム品の2ラインを用意し、プレミアム品で利益率を確保する。例えば、通常品5,000円(利益500円)+プレミアム品8,000円(利益2,000円)。プレミアム品の注文比率が30%になれば、全体の利益率が大幅に改善する。

値上げ交渉の方法は個人事業主の値上げ交渉術を参照してください。

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転換策2:新しい収益源を作る

既存の事業の延長線上で、新しい収益源を作ることを検討してください。

既存の顧客に追加サービスを提供する。すでに信頼関係がある顧客に、関連するサービスを追加で提案する。例えば、製造業であれば「メンテナンス契約」「技術コンサルティング」。飲食店であれば「ケータリング」「料理教室」。美容室であれば「店販商品」「出張カット」。

サブスクリプション型の収入を作る。月額制の保守契約、顧問契約、定期配送など、「毎月確実に入金される売上」を作る。月額5万円の契約を5件獲得すれば、月25万円の安定収入が確保される。

デジタル化による収益源の追加。実店舗の売上に加えて、ECサイト(ネット販売)を開設する。物販できる商品がある業種であれば、BASE、Shopify等で低コストにEC展開可能。

転換策3:取引先を入れ替える

利益率の低い取引先との取引を縮小し、利益率の高い取引先に注力する。

取引先ごとの利益率を計算し、利益率の低い順に並べる。利益率が最も低い取引先に対して値上げを交渉する。値上げが認められなければ、その取引先の案件を段階的に減らし、利益率の高い新規の取引先を開拓する。

「仕事がなくなるのが怖い」という気持ちはわかります。しかし、赤字の仕事を受け続けることは、お金を払って働いているのと同じです。利益が出ない仕事を手放す勇気が、事業を立て直す第一歩です。

取引先の分散は取引先が1社だけの個人事業主のリスクと対策を参照してください。

攻めに転じるための資金を確保する

「稼ぐ」に転じるためにも、最低限の投資資金が必要です。新サービスの開発、ECサイトの構築、営業活動。これらにはコストがかかる。

コスト削減で浮いた資金を「攻め」の投資に回す。ファクタリングで売掛金を即日現金化し、投資資金に充てる。日本政策金融公庫で低金利の事業資金を調達する。

ファクタリングの詳細はファクタリングおすすめ比較7選を参照してください。

ビジネスローンの比較はビジネスローンおすすめ比較8選を参照してください。

資金繰り改善の全体像はキャッシュフロー改善の方法7選を参照してください。

資金調達の正しい順番は個人事業主の資金調達は順番が9割を参照してください。

削って守った。次は稼いで攻める

コスト削減を限界まで実行してきた経営者は、すでに「守り」を固めています。その「守り」があるからこそ、次は「攻め」に転じる余裕がある。

単価を上げる。新しい収益源を作る。取引先を入れ替える。この3つの転換策で、利益を取り戻してください。

「コストを削り続ける」のは縮小。「売上を作り続ける」のは成長。あなたの事業は成長するためにあります。守りから攻めへ。今がその転換点です。

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この記事の更新履歴

  • 初版公開

よくある質問

Q コスト削減が限界に達したら次は何をすべきですか?
A

「削る」から「稼ぐ」への転換です。①単価を上げる(値上げ+高付加価値化)②新しい収益源を作る(追加サービス、サブスクリプション、EC展開)③利益率の低い取引先を入れ替える。守りを固めた上で、攻めに転じてください。

Q 値上げも新サービスも難しい場合はどうすればいいですか?
A

よろず支援拠点(無料)または商工会議所の経営相談で、第三者の視点からアドバイスを受けてください。自分では気づかない収益機会が見つかることがあります。また、事業の根本的な見直し(業態転換、事業の一部売却等)も選択肢です。

深作浩一郎
この記事の著者・監修
代表取締役 深作浩一郎

深作浩一郎|株式会社エグゼクティブマーケティングジャパン 代表取締役 / 空き家地方創生株式会社 取締役CFO。2,000社以上の中小企業支援実績を持つマーケティングコンサルタント。CFOとしてTOKYO PRO Market上場準備を主導し、監査法人対応・J-Adviser審査対応・財務戦略の策定・金融機関への融資交渉・資金繰り計画を統括。自らも通販会社の設立と会社売却を繰り返す仕組みを作り、法人カード・ビジネスローン・ファクタリング等の法人金融サービスを経営実務として活用。著書に『ゼロイチ起業』『現在の自分をお金に変える方法』。