資金調達

取引先が1社だけの個人事業主|売上の依存リスクと資金繰りを安定させる方法

売上の100%が1社からの受注。毎月安定して仕事が来る。報酬もきちんと支払われる。一見すると、恵まれた状況に見えます。

しかし、この状態は「安定」ではなく「依存」です。その1社が取引を終了したら。担当者が変わって契約条件が悪化したら。その1社自体が経営不振に陥ったら。

売上の入金がゼロになります。翌月から。

取引先が1社だけの個人事業主は、事業のすべてをその1社に委ねている状態です。自分の事業の命運を、他社の経営判断に預けている。この記事では、1社依存のリスクを正確に理解し、資金繰りを安定させるための具体的な対策を解説します。

経営者限定 無料公開

「資金繰りに追われる経営」を
終わらせる方法がある

2人運営の会社を数千万円で売却し、経営者としての
次のステージに進んだ実話をすべて公開します。

無料で詳細を見る

メールアドレスのみで5秒で完了

1社依存の3つの致命的リスク

リスク1:取引終了で売上がゼロになる。取引先の方針変更、担当者の異動、予算カット、内製化の決定。いずれも自分ではコントロールできない理由で、突然取引が終了する可能性があります。取引先が1社だけの場合、これは「売上ゼロ」を意味します。

リスク2:交渉力がゼロになる。値下げを要求された場合、取引先が1社しかなければ断れません。「断ったら仕事がなくなる」からです。納期の短縮、追加作業の無償対応なども、断りにくくなります。結果として、単価が下がり、労働時間が増え、利益率が悪化します。

リスク3:取引先の経営不振が直撃する。取引先の業績が悪化すれば、支払いが遅延するリスクがあります。取引先が倒産すれば、売掛金が回収不能になります。1社依存の場合、取引先の経営リスクがそのまま自分の事業のリスクになります。

「いつかは分散しよう」では手遅れになる理由

1社から安定して仕事が来ている間は、危機感を持ちにくい。「今は忙しいから、新規の営業をする余裕がない」「今の取引先との関係は良好だから大丈夫」。

しかし、取引が終了してから新規の取引先を探し始めると、受注までに最低でも1〜3ヶ月かかります。その間の収入はゼロ。生活費と固定費は出ていく一方です。

取引先の分散は「忙しい今のうちに」始めるべきです。忙しくない時期に始めようとしても、その時期には資金的な余裕がなく、新規営業にかけるコスト(時間も含めて)が捻出できません。

事業設計の教科書 無料公開

売るために作る。
3年で数千万円になる会社の設計図

今の事業とは別に、売却を前提とした小さな会社を1つ作る。
その具体的な方法を実体験ベースで解説します。

無料で設計図を見る

メールアドレスのみで5秒で完了

取引先を分散するための5つの具体策

具体策1:現在の取引先の仕事を減らさずに、新規を「上乗せ」する。最初から「1社の仕事を減らして新規を取る」必要はありません。現在の仕事量を維持しつつ、週に2〜3時間を新規営業に充てる。小さな案件でも良いので、2社目・3社目との取引実績を作る。

具体策2:既存の取引先からの紹介を依頼する。現在の取引先に「他にお手伝いできる会社さんがあれば、ご紹介いただけると助かります」と伝える。良い仕事をしていれば、紹介してもらえるケースは珍しくありません。

具体策3:クラウドソーシングで2社目を作る。ランサーズ、クラウドワークス等のプラットフォームに登録し、小規模な案件を受注する。単価は低めですが、「2社目の取引先がある」状態を作ることが目的。実績を積めば、プラットフォーム経由でリピートクライアントが増える。

具体策4:自社メディア(ブログ、SNS)で集客する。自分のスキルや実績を発信するブログやSNSアカウントを運用する。即効性はないが、6ヶ月〜1年で問い合わせが来るようになる。営業活動に時間をかけなくても、自動的にリードが生まれる仕組みになる。

具体策5:異業種の取引先を開拓する。現在の取引先と同じ業種の新規顧客を開拓すると、業界全体が不況になった場合にすべての取引先が同時に影響を受ける。異なる業種の取引先を持つことで、業界リスクも分散できる。

取引先分散の目標値

理想は「1社あたりの売上依存度を30%以下にする」ことです。

3〜4社から均等に受注できる状態を目指す。1社が取引終了しても、残りの2〜3社の売上で生活費と固定費をカバーできるようになります。

最初のステップとして、「1社の依存度を70%以下にする」を目標にしてください。現在100%依存の場合、新規の取引先から月間売上の30%を得られるようになれば、依存度は70%に下がります。

1社依存の状態で取引が終了した場合の緊急対処

取引先の分散が間に合わないまま、取引が終了してしまった場合の緊急対処法です。

即日の資金確保:最後の売掛金をファクタリングで即日現金化する。取引終了が決まった時点で、まだ入金前の売掛金があれば、ファクタリングで即日現金化してください。この資金で次の取引先を見つけるまでの生活費と固定費をまかないます。

ファクタリングの詳細はファクタリングおすすめ比較7選を参照してください。

短期の資金調達:ビジネスローンで1〜3ヶ月分の運転資金を確保する。新規の取引先を見つけるまで、AGビジネスサポート(最短即日・業歴制限なし)で生活費と固定費を確保する。新規の売上が立ったら速やかに完済する。

ビジネスローンの比較はビジネスローンおすすめ比較8選を参照してください。

公的支援の活用:商工会議所・よろず支援拠点で無料の経営相談を受ける。「取引先を失い、新規の営業方法がわからない」という相談にも対応してくれます。営業戦略の立案、事業計画の見直し、利用可能な補助金の案内を受けられます。

1社依存を脱却した先にあるもの

取引先が3〜4社に分散されると、事業の安定性が格段に向上します。しかしそれ以上に大きいのは「精神的な余裕」です。

1社依存の状態では、その取引先からの連絡に常に神経を尖らせます。「契約を打ち切られるのではないか」「値下げを要求されたら断れない」。この不安が、事業の判断を歪めます。

取引先が分散されれば、1社からの不当な要求に対して「断る」選択肢が生まれます。自分の単価を守れる。無理な納期を断れる。不採算の案件を手放せる。この交渉力が、事業の利益率を向上させ、長期的な資金繰りの安定につながります。

資金繰り改善の全体像はキャッシュフロー改善の方法7選を参照してください。

資金調達方法の全体像は中小企業の資金調達方法7選を参照してください。

経営者限定 無料公開

2人運営で月商500万円の会社を
数千万円で売却した全手法

売却を前提とした会社設計から、3年で数千万円の
現金を生み出した出口戦略までを無料で公開します。

今すぐ無料で受け取る

メールアドレスのみで5秒で完了

この記事の更新履歴

  • 初版公開

よくある質問

Q 取引先が1社だけの状態はどのくらい危険ですか?
A

非常に危険です。その1社が取引を終了・縮小した瞬間に売上がゼロになります。取引先の方針変更、担当者の異動、予算カット、倒産など、自分ではコントロールできない要因で突然起きる可能性があります。理想は1社あたりの依存度を30%以下にすることです。

Q 忙しくて新規営業をする余裕がありません。どうすればいいですか?
A

週に2〜3時間だけ新規営業に充てる、既存の取引先からの紹介を依頼する、クラウドソーシングに登録して小さな案件を受注する、などの方法があります。大きな案件を狙う必要はありません。まずは「2社目がある」状態を作ることが最優先です。

Q 取引先が突然契約を終了しました。すぐにお金が必要です。
A

入金前の売掛金があればファクタリング(最短10分)で即日現金化してください。売掛金がなければビジネスローン(AGビジネスサポート・最短即日)で1〜3ヶ月分の運転資金を確保し、新規の取引先を見つける時間を稼いでください。

Q 1社の取引先に依存している場合、値下げ要求にはどう対応すべきですか?
A

短期的には応じざるを得ないケースもありますが、並行して新規の取引先を開拓してください。2社目の取引先ができれば、値下げ要求に対して「断る」選択肢が生まれます。交渉力は取引先の数に比例します。

深作浩一郎
この記事の著者・監修
代表取締役 深作浩一郎

深作浩一郎|株式会社エグゼクティブマーケティングジャパン 代表取締役 / 空き家地方創生株式会社 取締役CFO。2,000社以上の中小企業支援実績を持つマーケティングコンサルタント。CFOとしてTOKYO PRO Market上場準備を主導し、監査法人対応・J-Adviser審査対応・財務戦略の策定・金融機関への融資交渉・資金繰り計画を統括。自らも通販会社の設立と会社売却を繰り返す仕組みを作り、法人カード・ビジネスローン・ファクタリング等の法人金融サービスを経営実務として活用。著書に『ゼロイチ起業』『現在の自分をお金に変える方法』。