ファクタリングは「自社の信用力ではなく売掛先の信用力が審査対象」と言われています。それにもかかわらず、審査に落ちるケースは存在します。
ファクタリングの審査に落ちた場合、多くの経営者は「もうどこからも資金調達できない」と感じてしまいますが、審査に落ちる原因は明確であり、対策を打てば別のファクタリング会社では通るケースも少なくありません。
この記事では、ファクタリングの審査に落ちる原因、審査に通りやすい会社の特徴、そして審査に落ちた場合の代替手段を解説します。
## ファクタリングの審査で見られるポイント
ファクタリングの審査は、銀行融資やビジネスローンとは審査対象が根本的に異なります。
最も重視されるのは「売掛先の信用力」です。売掛先が上場企業、大手企業、官公庁であれば審査通過率は高く、手数料も低くなります。売掛先が中小企業やスタートアップの場合は審査が慎重になります。
次に「売掛金の実在性」が確認されます。請求書、契約書、取引の証拠(メール・発注書等)が提出を求められます。売掛金が実在することを証明できなければ審査には通りません。
「売掛金の入金期日」も重要です。入金期日が近い(残日数が短い)売掛金の方が、ファクタリング会社のリスクが低いため審査に通りやすくなります。入金期日が3ヶ月以上先の売掛金は断られるケースがあります。
「利用企業の信用力」も副次的に確認されます。2社間ファクタリングの場合、売掛先からの入金を利用企業が受け取ってファクタリング会社に送金するため、利用企業の誠実性が審査で考慮されます。
## 審査に落ちる7つの原因と対策
### 原因1:売掛先の信用力が低い
売掛先が設立間もない企業、赤字企業、個人事業主の場合、売掛金の回収リスクが高いと判断されて審査に落ちることがあります。
対策:信用力の高い売掛先(上場企業、大手企業、官公庁)への売掛金があれば、そちらを優先してファクタリングに出してください。複数の売掛金がある場合は、売掛先の規模が大きいものを選びます。
### 原因2:売掛金の実在を証明できない
請求書だけでは不十分なケースがあります。取引の契約書、発注書、メールでのやり取り、過去の入金実績など、売掛金が実在する証拠を複数提出できないと審査に通りにくくなります。
対策:請求書に加えて、取引基本契約書、個別の発注書・注文書、メールでのやり取りのスクリーンショット、過去の入金履歴(通帳のコピー)を準備してください。
### 原因3:売掛金がすでに二重譲渡されている
同じ売掛金をすでに別のファクタリング会社に売却している場合(二重譲渡)、審査で発覚して否決されます。債権譲渡登記を確認することで、二重譲渡は検知できます。
対策:二重譲渡は詐欺罪に該当する違法行為です。絶対に行わないでください。
### 原因4:入金期日が遠すぎる
入金期日が3ヶ月以上先の売掛金は、ファクタリング会社にとってリスクが高く、断られるケースがあります。
対策:入金期日が1〜2ヶ月以内の売掛金を選んでファクタリングに出してください。入金期日が近い売掛金の方が手数料も安くなります。
### 原因5:売掛金の金額が小さすぎるまたは大きすぎる
サービスによって買取可能な金額の下限・上限があります。10万円未満の売掛金は対応していない会社が多く、逆に数億円規模の売掛金は対応できるファクタリング会社が限られます。
対策:少額(1万円〜)に対応するペイトナーファクタリング、大口(最大3億円)に対応するトップ・マネジメントなど、金額帯に合ったサービスを選んでください(「ファクタリングおすすめ比較7選」https://executive-marketing-japan.co.jp/biz-finance/factoring-ranking/ を参照)。
### 原因6:利用企業に税金滞納・差押え履歴がある
利用企業が税金を滞納していたり、過去に銀行口座の差押えを受けた履歴がある場合、「売掛先から入金があってもファクタリング会社に送金される前に差し押さえられるリスク」があるため、審査に不利になります。
対策:税金の滞納がある場合は、可能な限り完納してからファクタリングを申込んでください。
### 原因7:面談やヒアリングでの印象が悪い
ファクタリング会社によっては、電話や対面でのヒアリングを行います。この際に事業内容の説明が曖昧、質問に対して回答が矛盾する、態度が不誠実と判断されると、審査に影響します。
対策:事業内容、売掛金の発生理由、資金使途を正確に説明できるよう、事前に整理しておいてください。
## 審査が通りやすいファクタリング会社の特徴
審査通過率が比較的高いファクタリング会社には共通する特徴があります。
オンライン完結型のサービスは、AIによる自動審査を採用しているケースが多く、審査基準が明確です。OLTA、QuQuMo、ペイトナーファクタリングがこのタイプです。
少額対応のサービスは審査のハードルが低い傾向があります。ペイトナーファクタリング(1万円〜)は請求書のみで申込可能であり、審査書類が最小限です。
3社間ファクタリングは2社間より審査に通りやすい傾向があります。売掛先から直接ファクタリング会社に支払われるため、回収リスクが低い分、審査基準が緩くなります。
## 審査に落ちた場合の代替手段
ファクタリングの審査に落ちた場合でも、資金調達の方法は残っています。
別のファクタリング会社に申込む。審査基準は会社ごとに異なるため、A社で落ちてもB社では通るケースがあります。最低3社に見積もりを取ることを推奨します。
ビジネスローンを検討する。ファクタリングとは審査基準が異なるため、ファクタリングに落ちてもビジネスローンには通る可能性があります(「ビジネスローンおすすめ比較8選」https://executive-marketing-japan.co.jp/biz-finance/business-loan-ranking/ を参照)。
日本政策金融公庫に相談する。公庫は民間金融機関とは異なる審査基準を持っており、ファクタリングやビジネスローンで断られた企業でも融資を受けられるケースがあります。