資金調達

印刷業の資金繰り|用紙・インキ価格高騰で受注しても赤字になる問題の解決策【2026年】

チラシ10,000部の印刷。見積もりを出したが利益がほとんど残らない。用紙代が2年前の1.3倍。インキ代も上がった。「この単価では赤字になる」とわかっていても、断れば仕事がなくなる。

印刷業は「用紙」と「インキ」という2大原材料の価格に利益が左右される業種です。用紙はパルプ価格とエネルギーコストに、インキはナフサ由来の溶剤・樹脂に依存しています。両方が同時に値上がりする状況で、印刷単価を据え置いたまま受注を続ければ、受注すればするほど赤字が積み上がる。

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ナフサ価格と印刷業の原材料費の関係

インキの原材料構成。樹脂(バインダー):ナフサ→合成樹脂。インキの約20〜30%。溶剤:ナフサ→トルエン、酢酸エチル等。インキの約30〜40%。顔料:有機顔料の一部はナフサ由来。つまり、インキ原材料の50〜70%がナフサ由来です。

用紙の価格もナフサに間接的に影響を受けます。紙の製造には大量のエネルギー(電気・蒸気)が必要であり、エネルギーコストの上昇が用紙価格に反映されます。また、紙のコーティングに使われる樹脂もナフサ由来です。

2022年以降、大手製紙メーカー(王子製紙、日本製紙等)は複数回の値上げを実施。インキメーカー(DIC、東洋インキ等)も同様。印刷業者への納入価格は2020年比で用紙が20〜30%、インキが15〜25%上昇しています。

印刷業の資金繰りを改善する方法

改善策1:印刷単価を見直す。現在の原材料費を反映した見積もり基準に更新する。「用紙・インキの値上がり分を反映した新価格表」を作成し、クライアントに通知する。新規クライアントには最初から新価格で提示。既存クライアントには段階的に改定。

改善策2:付加価値の高い案件にシフトする。大量・低単価のチラシ印刷から、少量・高単価の商業印刷(パッケージ、POP、特殊印刷等)にシフトする。デザインからワンストップで受注し、印刷単価だけでなくデザイン料で利益を確保する。

改善策3:用紙の代替提案を行う。クライアントの要望する用紙が高額な場合、同等の品質でコストの低い代替用紙を提案する。用紙の銘柄にこだわらないクライアントであれば、メーカー在庫の余剰品(格安で入手可能)を活用する。

改善策4:ファクタリングで材料費の立て替え負担を軽減する。印刷完了後のクライアントへの売掛金をファクタリングで即日現金化し、次の案件の用紙・インキ代に充てる。

ファクタリングの詳細はファクタリングおすすめ比較7選を参照してください。

ビジネスローンの比較はビジネスローンおすすめ比較8選を参照してください。

値上げ交渉の方法は個人事業主の値上げ交渉術を参照してください。

資金繰り改善の全体像はキャッシュフロー改善の方法7選を参照してください。

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この記事の更新履歴

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よくある質問

Q 印刷業でもファクタリングは使えますか?
A

使えます。クライアントへの売掛金(印刷完了後の請求書)があれば、ファクタリングで即日現金化できます。用紙やインキの仕入れ代金に充てることで、材料費の立て替え負担を軽減できます。

Q 用紙・インキの値上がり分を印刷単価に転嫁できますか?
A

交渉は可能です。仕入先の値上げ通知書をエビデンスとして提示し、原材料費の上昇分を反映した新価格を提案してください。下請法の適用がある場合、一方的な価格据え置きは「買いたたき」に該当する可能性があります。

深作浩一郎
この記事の著者・監修
代表取締役 深作浩一郎

深作浩一郎|株式会社エグゼクティブマーケティングジャパン 代表取締役 / 空き家地方創生株式会社 取締役CFO。2,000社以上の中小企業支援実績を持つマーケティングコンサルタント。CFOとしてTOKYO PRO Market上場準備を主導し、監査法人対応・J-Adviser審査対応・財務戦略の策定・金融機関への融資交渉・資金繰り計画を統括。自らも通販会社の設立と会社売却を繰り返す仕組みを作り、法人カード・ビジネスローン・ファクタリング等の法人金融サービスを経営実務として活用。著書に『ゼロイチ起業』『現在の自分をお金に変える方法』。