ファクタリングを利用した後、確定申告ではどのように処理すればよいのか。勘定科目は何を使うのか。消費税はかかるのか。
ファクタリングは融資ではなく「売掛金の売買(債権譲渡)」であるため、借入の仕訳とは処理方法がまったく異なります。間違った仕訳をすると、税務調査で指摘されるだけでなく、決算書の正確性にも影響します。
この記事では、ファクタリングの仕訳方法、使用する勘定科目、消費税の取り扱い、そして確定申告での注意点を具体的な数値例とともに解説します。
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ファクタリングの仕訳で使う勘定科目
ファクタリングの仕訳で使用する主な勘定科目は以下の3つです。
「売掛金」:売掛先に対する代金の請求権。ファクタリングの対象となる債権です。
「売上債権売却損」:ファクタリングの手数料を計上する勘定科目です。「売掛金の額面−受取金額」がこの科目に該当します。一般的な仕訳書籍では「売上債権売却損」が推奨されていますが、「支払手数料」や「雑損失」で処理しても税務上は問題ありません。
「未収入金」(場合による):ファクタリング会社との契約は成立したが、入金がまだ行われていない期間の仮勘定です。契約日と入金日が異なる場合に使用します。
ファクタリングの仕訳例(具体的な数値で解説)
基本の仕訳(契約日=入金日の場合)
売掛金100万円を手数料10%(10万円)でファクタリングし、90万円が即日入金された場合。
借方:普通預金 900,000円
借方:売上債権売却損 100,000円
貸方:売掛金 1,000,000円
これで売掛金100万円が帳簿から消え、代わりに現金90万円と手数料(売上債権売却損)10万円が計上されます。
契約日と入金日が異なる場合
5月1日にファクタリング契約を締結し、5月3日に入金された場合。
5月1日(契約時):
借方:未収入金 900,000円
借方:売上債権売却損 100,000円
貸方:売掛金 1,000,000円
5月3日(入金時):
借方:普通預金 900,000円
貸方:未収入金 900,000円
3社間ファクタリングの仕訳
3社間ファクタリングの場合、売掛先はファクタリング会社に直接支払います。仕訳自体は2社間と同じです。
借方:普通預金 950,000円(100万円−手数料5%の5万円)
借方:売上債権売却損 50,000円
貸方:売掛金 1,000,000円
決算をまたぐ場合
3月31日が決算日の企業で、3月25日にファクタリング契約を締結し、4月5日に売掛先から入金(ファクタリング会社が回収)される場合。
3月25日(契約時)の仕訳は通常通り行います。決算日(3月31日)時点では、すでに売掛金は債権譲渡済みであるため、貸借対照表の売掛金からは除外されます。
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ファクタリングの手数料に消費税はかかるか
結論:かかりません。
ファクタリングの手数料は「金銭債権の譲渡に伴う対価」であり、消費税法上は非課税取引に該当します。消費税法第6条第1項・別表第一に「有価証券等の譲渡」「金銭債権の譲渡」が非課税取引として規定されています。
したがって、ファクタリングの手数料に消費税は加算されません。仕訳においても「売上債権売却損」は非課税仕入として処理します。
もし、ファクタリング会社から手数料に消費税を上乗せして請求された場合は、契約内容を確認してください。正規のファクタリング(債権売買)の手数料は非課税であり、消費税が加算されるのは不適切です。
確定申告での注意点
個人事業主の場合
個人事業主がファクタリングを利用した場合、売上債権売却損は「事業所得」の計算上、経費として認められます。確定申告書の「必要経費」に含めてください。
青色申告の場合は、帳簿に上記の仕訳を正確に記帳することが求められます。白色申告の場合は、簡易な帳簿で構いませんが、ファクタリングの契約書と入金明細は証憑として保管してください。
法人の場合
法人の場合は、通常の損益計算書に「売上債権売却損」が計上されます。営業外費用に分類するのが一般的です。特別な確定申告の手続きは不要で、通常の法人税申告に含めて処理します。
消費税の申告
ファクタリングの手数料は非課税取引であるため、消費税の仕入税額控除の対象にはなりません。課税売上割合の計算においても、ファクタリングによる入金は非課税売上(金銭債権の譲渡)として扱われます。
課税売上割合が95%未満の企業は、個別対応方式または一括比例配分方式での計算に影響する可能性があるため、顧問税理士に確認してください。
ファクタリングの基本的な仕組みは「ファクタリングとは?仕組み・種類・手数料相場を解説」 を参照してください。手数料の詳細は「ファクタリングの手数料相場・計算方法・安くするコツ」を参照してください。
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