資金調達

家賃が払えない個人事業主の緊急対処法|事務所を失わないための5つの選択肢

今月の家賃が払えない。引き落とし日が近づいているのに、口座残高が足りない。

個人事業主にとって、家賃の問題は事業と生活の両方に直結します。事務所兼自宅の場合は、家賃が払えなければ住む場所を失う。事務所と自宅が別の場合でも、事務所を失えば事業の拠点がなくなる。

しかし、1回の家賃遅延で即座に退去を求められることは通常ありません。法律上、賃貸借契約の解除(退去請求)には「信頼関係の破壊」が必要とされており、1〜2回の遅延では認められないケースがほとんどです。

この事実を知った上で、冷静に対処してください。この記事では、家賃が払えない場合の5つの対処法を、緊急度の高い順に解説します。

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最優先:引き落とし日の前に管理会社に連絡する

家賃が払えないとわかった時点で、引き落とし日の前に管理会社(または大家)に電話してください。

伝えるべき内容。「取引先からの入金が遅れており、今月の家賃のお支払いが○日遅れる見込みです。○月○日には確実にお支払いします」。

ポイントは「具体的な支払い日を提示する」ことです。「いつ払えるかわかりません」は最悪の回答。「○月○日に取引先からの入金があるため、その日に支払います」と具体的な根拠と日付を示してください。

事前に連絡があれば、管理会社は通常、数日〜2週間程度の遅延を容認します。事前連絡なしで引き落とし不能になった場合は、管理会社から連絡が来ます。その時点でも誠実に対応すれば、即座に退去を求められることは通常ありません。

対処法1:ファクタリングで家賃分の資金を即日確保する

売掛金(入金待ちの請求書)がある場合、ファクタリングで即日現金化して家賃を支払う方法が最速です。

家賃10万円が足りない場合。12万円の売掛金をファクタリング → 手数料1.2万円を引いた10.8万円が即日入金 → 家賃10万円を支払い。

ペイトナーファクタリング:最短10分。手数料一律10%。1万円から対応。

ラボル:最短60分。手数料一律10%。365日対応。

ファクタリングの手数料は家賃10万円の場合で約1万円。この1万円で事務所と信用を守れることを考えれば、合理的なコストです。

ファクタリングの詳細はファクタリングおすすめ比較7選を参照してください。

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対処法2:ビジネスローンで短期資金を借りる

売掛金がない場合はビジネスローンで家賃分の資金を借りる方法があります。

AGビジネスサポート:最短即日融資。金利年3.1〜18.0%。業歴制限なし。50万円から。

デイリーキャッシング:最短30分審査。金利年3.0〜18.0%。5万円から対応。少額の家賃支払いに最適。

家賃10万円を金利年18%で1ヶ月借りた場合の利息は約1,500円。取引先からの入金後にすぐ完済すれば、利息負担は最小限です。

ビジネスローンの比較はビジネスローンおすすめ比較8選を参照してください。

対処法3:家賃の減額交渉・支払い条件の変更を相談する

資金繰りが慢性的に厳しい場合、家賃の減額交渉も選択肢です。

交渉が成立しやすいケース。長期間(2年以上)同じ物件に入居している場合。周辺の相場が下がっている場合。空室率が高い物件の場合。

交渉の際は、周辺の同等物件の家賃相場を調べて根拠を示してください。「近隣の同じ広さの物件が月8万円で出ています。現在の家賃10万円を8.5万円に見直していただけませんか」と具体的に提示する。

家賃の減額が難しい場合でも、「支払い日の変更」は比較的容認されやすい。取引先からの入金日の後に家賃の支払い日を変更することで、資金ショートを構造的に防げます。

対処法4:公的支援を利用する(住居確保給付金)

個人事業主で収入が減少している場合、「住居確保給付金」を利用できる可能性があります。

住居確保給付金は、離職・廃業から2年以内、または収入が減少して住居を失うおそれがある方に対して、家賃相当額(上限あり)を原則3ヶ月間(最大9ヶ月間)支給する制度です。

支給額は地域により異なりますが、単身世帯で月額4〜5万円程度が目安です(東京23区の場合は月額53,700円が上限)。

申請先は市区町村の福祉課(生活困窮者自立支援窓口)です。収入要件や資産要件がありますが、個人事業主の収入減少も対象に含まれます。

住居確保給付金は返済不要の給付金です。利用できる条件を満たしている場合は、積極的に申請してください。

対処法5:事務所の移転・縮小を検討する

家賃の支払いが毎月厳しい状態が続いている場合は、事務所のコスト自体を見直す必要があります。

自宅で業務可能な場合:事務所を解約し、自宅兼事務所にする。家賃の一部(業務使用割合に応じて)を経費にできる。事務所の家賃分がゼロになり、固定費が大幅に削減される。

事務所が必要な場合:より安い物件に移転する。または、コワーキングスペースやシェアオフィス(月額1〜5万円程度)に切り替える。従来の事務所賃貸(月額10万円〜)と比較して、大幅なコスト削減が可能。

バーチャルオフィス(月額3,000〜1万円程度)で住所だけ確保し、実際の業務は自宅やカフェで行う方法もあります。

家賃滞納の法的リスクを正しく理解する

家賃を滞納した場合の法的な流れを理解しておくことで、過度な恐怖を避けられます。

1〜2回の滞納:管理会社から連絡が来る。この時点で支払えば、通常は大きな問題にはならない。

3ヶ月以上の滞納:管理会社から書面で契約解除の通知が届く可能性がある。ただし、3ヶ月の滞納でも「信頼関係の破壊」が認められない(=退去を強制できない)判例もある。

6ヶ月以上の滞納:裁判所を通じた明渡し請求(退去請求)が行われる可能性が高くなる。ここまで来ると法的な対応が必要。

重要なポイント。大家が勝手に鍵を交換する、荷物を撤去するなどの行為は「自力救済」として違法です。どんなに家賃を滞納しても、裁判所の手続きを経ずに強制的に退去させることはできません。

とはいえ、滞納が長期化すれば最終的には退去を求められます。滞納を放置せず、この記事で紹介した5つの対処法を早期に実行してください。

資金調達方法の全体像は中小企業の資金調達方法7選を参照してください。

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この記事の更新履歴

  • 初版公開

よくある質問

Q 家賃を1回滞納しただけで退去させられますか?
A

通常は退去させられません。賃貸借契約の解除には「信頼関係の破壊」が必要とされており、1〜2回の滞納では認められないケースがほとんどです。ただし、滞納を放置せず管理会社に連絡し、支払いの意思と具体的な支払い日を伝えてください。

Q 家賃を払うためにファクタリングやビジネスローンを使ってもいいですか?
A

使えます。ファクタリングは売掛金の売買であり、家賃の支払い目的でも利用可能です。ビジネスローンも資金使途に制限がないサービスが多く、家賃の支払いに充てることができます。

Q 住居確保給付金は個人事業主でも使えますか?
A

使える場合があります。収入が減少して住居を失うおそれがある個人事業主は対象になりえます。収入要件・資産要件がありますので、市区町村の福祉課(生活困窮者自立支援窓口)に相談してください。返済不要の給付金です。

Q 事務所の家賃が高すぎる場合、どうすればいいですか?
A

家賃の減額交渉(周辺相場を根拠に提示)、より安い物件への移転、コワーキングスペースやバーチャルオフィスへの切り替えを検討してください。自宅で業務可能であれば事務所の解約が最も効果的です。

Q 大家が勝手に鍵を交換してきました。違法ですか?
A

違法です。家賃を滞納していても、裁判所の手続きを経ずに鍵の交換や荷物の撤去を行うことは「自力救済」として法律で禁止されています。このような行為を受けた場合は、弁護士に相談してください(法テラス:0570-078374で無料相談可能)。

深作浩一郎
この記事の著者・監修
代表取締役 深作浩一郎

深作浩一郎|株式会社エグゼクティブマーケティングジャパン 代表取締役 / 空き家地方創生株式会社 取締役CFO。2,000社以上の中小企業支援実績を持つマーケティングコンサルタント。CFOとしてTOKYO PRO Market上場準備を主導し、監査法人対応・J-Adviser審査対応・財務戦略の策定・金融機関への融資交渉・資金繰り計画を統括。自らも通販会社の設立と会社売却を繰り返す仕組みを作り、法人カード・ビジネスローン・ファクタリング等の法人金融サービスを経営実務として活用。著書に『ゼロイチ起業』『現在の自分をお金に変える方法』。