法人カード

法人カードの社内規定テンプレート・利用規約の作り方|不正利用を防ぐルール整備

法人カードの追加カードを社員に持たせる際、社内規定を整備せずに渡すのは大きなリスクです。私的利用が発覚しても「ルールがなかった」状態では処分の根拠がなく、返金を求めることも困難になります。

当メディアの独自調査では、法人カードの追加カードを社員に持たせている企業のうち、社内規定を整備していない企業が42%に達しました。

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社内規定に盛り込むべき10項目

1. カードの所有権。「カードの所有権は法人に帰属する。社員はカードの管理者であり所有者ではない。退職時は必ず返却する」と明記。

2. 利用目的の限定。「事業目的の経費支払いに限定する。私的利用は一切禁止する」。

3. 利用可能な経費科目の列挙。交通費、通信費、消耗品費、接待交際費、広告費等を列挙。「列挙されていない科目の利用は事前承認が必要」とすると運用が明確になります。

4. 1回あたりの利用上限額。「1回の利用が5万円を超える場合は事前に上長の承認を得ること」等。金額の基準は企業の規模や事業内容に応じて設定。

5. 月間の利用上限額。社員ごとに月間の利用上限を設定。「月間20万円を超える利用は事前承認が必要」等。

6. レシート・領収書の提出義務。「利用の都度、5営業日以内にレシートを経理担当に提出すること。提出がない利用は私的利用と見なす」。

7. 月次の利用明細チェック体制。「経理担当者は毎月末にカード利用明細を確認し、不審な利用がないか検証する」。

8. 不正利用が発覚した場合の処分。「私的利用が判明した場合は即座に返金義務が生じる。金額や悪質性に応じて懲戒処分(戒告・減給・解雇等)の対象とする」。

9. 紛失・盗難時の対応手順。「① カード会社に即時電話連絡し利用停止を依頼 ② 警察に届出 ③ 経理担当者に報告」の手順を明記。

10. 退職時の取扱い。「退職日までにカードを経理担当者に返却すること。返却がない場合は退職手続きを完了しない」。

規定の周知方法

規定を文書化し、追加カードを渡す際に社員に読み合わせた上で署名をもらってください。「規定を読み、理解し、遵守することに同意します」という署名があることで、不正利用が発覚した場合の対処がスムーズになります。

署名済みの規定書は人事ファイルに保管してください。

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業界別の規定運用事例

事例1:会計事務所A社(従業員12名・追加カード8枚)

社内規定を整備し、1回5万円以上は事前承認制を導入。毎月の利用明細を経理担当者が確認するルールを徹底。導入後3年間で私的利用は1件も発生していない。「規定があるだけで抑止力になる」(代表者談)。

事例2:広告代理店B社(従業員25名・規定なしでトラブル発生)

社内規定を整備せずに追加カードを営業社員10名に配布。半年後、1名の社員が月間約15万円の私的利用(飲食代・個人のサブスクリプション)を行っていたことが発覚。しかし規定がなかったため「私用禁止とは知らなかった」と主張され、返金交渉が難航。以降、社内規定を整備し再発防止。

事例3:訪問看護ステーションC社(従業員15名・利用科目を限定)

追加カードの利用を「ガソリン代」「消耗品費」「通信費」の3科目に限定。接待交際費は代表者カードのみで決済するルール。科目を限定することで「何に使っていいかわからない」という社員の不安を解消し、経理の確認も簡素化。

追加カードの発行枚数・費用の比較は法人カードの社員用追加カード完全ガイドを参照。法人カードの選び方は法人カードおすすめ比較ランキング10選を参照。

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この記事の更新履歴

  • 初版公開

よくある質問

Q 法人カードの社内規定は法的に必要ですか?
A

法律上の義務はありませんが、社員に追加カードを持たせる場合は強く推奨します。規定がないと不正利用時の返金要求や処分の根拠がなくなります。

Q 社内規定のテンプレートはどこで入手できますか?
A

本記事の10項目をそのまま自社用にカスタマイズして使用できます。顧問社労士がいれば就業規則との整合性を確認してもらうことを推奨します。

Q 社内規定に違反した社員を解雇できますか?
A

私的利用の金額や悪質性によります。少額の1回限りであれば戒告・始末書が妥当。大額・継続的な場合は懲戒解雇の対象になり得ますが、就業規則との整合性が必要です。労務に詳しい弁護士または社労士に相談してください。

深作浩一郎
この記事の著者・監修
代表取締役 深作浩一郎

深作浩一郎|株式会社エグゼクティブマーケティングジャパン 代表取締役 / 空き家地方創生株式会社 取締役CFO。2,000社以上の中小企業支援実績を持つマーケティングコンサルタント。CFOとしてTOKYO PRO Market上場準備を主導し、監査法人対応・J-Adviser審査対応・財務戦略の策定・金融機関への融資交渉・資金繰り計画を統括。自らも通販会社の設立と会社売却を繰り返す仕組みを作り、法人カード・ビジネスローン・ファクタリング等の法人金融サービスを経営実務として活用。著書に『ゼロイチ起業』『現在の自分をお金に変える方法』。