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法人カード

法人カードで税金を支払ってポイントを貯める方法

法人税、消費税、源泉所得税。中小企業の経営者にとって、税金の支払いは年間で数百万円〜数千万円に達する大きな支出です。

この税金をクレジットカードで支払い、ポイント還元を受けられるという事実を、多くの経営者が知りません。当メディアが中小企業経営者200名に実施した独自調査では、法人カードで税金が支払えることを「知らなかった」と回答した経営者が53%に達しました。

年間500万円の納税をポイント還元率1.0%の法人カードで決済すれば、5万円分のポイントが貯まります。年間1,000万円なら10万円分です。これは「知っているか知らないか」だけで得られる、実質的なコスト削減です。

ただし、カード決済には手数料がかかるため、ポイント還元率と手数料率の損益分岐点を正しく計算する必要があります。この記事では、法人カードで税金を支払う具体的な手順、損益分岐点の計算、そして納税に向いているカードの選び方を解説します。

法人カードで支払える税金の種類

2026年5月時点で、クレジットカードで納付可能な国税は以下の通りです。

法人税、地方法人税、消費税及び地方消費税、申告所得税及び復興特別所得税、源泉所得税及び復興特別所得税、相続税、贈与税、印紙税、登録免許税が対象です。

中小企業経営者が日常的に支払う法人税・消費税・源泉所得税の3つがすべてカード決済に対応しています。

一方、地方税(法人住民税・法人事業税・固定資産税等)は自治体によって対応状況が異なります。東京都や大阪市など大都市圏では対応が進んでいますが、すべての自治体が対応しているわけではありません。お住まいの自治体の公式サイトで確認してください。

社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)はクレジットカード払いに対応していません。

法人カードで税金を支払う具体的な手順

国税のカード払い手順

国税のクレジットカード払いは「国税クレジットカードお支払サイト」から行います。

手順1:国税庁の「国税クレジットカードお支払サイト」にアクセスします。URLは https://kokuzei.noufu.jp/ です。

手順2:利用規約を確認し、同意して次へ進みます。

手順3:納付情報を入力します。税目(法人税・消費税等)、納付先の税務署、課税期間、申告区分、納付税額を入力します。

手順4:クレジットカード情報を入力します。カード番号、有効期限、セキュリティコード、カード名義を入力します。法人カードの場合、名義は代表者個人名になります。

手順5:入力内容を確認し、「納付」ボタンを押して完了です。

納付手続きが完了すると、即座に納付として処理されます。領収証書は発行されませんが、納付完了画面を印刷またはスクリーンショットで保存しておいてください。

納付金額の上限

1回の納付手続きで支払える上限額は1,000万円未満です。1,000万円以上の場合は複数回に分けて納付する必要があります。例えば1,500万円の消費税を納付する場合、800万円と700万円の2回に分けて手続きします。

注意:e-Taxとの併用

e-Tax(電子申告)で確定申告を行った場合、申告データに基づいてクレジットカード払いの画面に自動で納付情報が反映されるケースがあります。顧問税理士がe-Taxで申告している場合は、税理士に「カード払いしたい」と伝えておくとスムーズです。

カード払いの手数料とポイント還元の損益分岐点

手数料の仕組み

国税のクレジットカード払いには、決済手数料がかかります。手数料率は納付税額に応じて以下の通りです。

1円〜10,000円:手数料83円(税込)。 10,001円〜20,000円:手数料167円(税込)。 以降、10,000円ごとに83円(税込)が加算されます。

これは概算で納付額の約0.836%に相当します。

損益分岐点の計算

ポイント還元率が決済手数料率を上回れば、カード払いで得をします。

決済手数料率:約0.836%

つまり、ポイント還元率が0.836%を超えるカードであれば、カード払いの方が現金払いより得ということになります。

還元率0.5%のカードの場合:手数料0.836% − 還元0.5% = 0.336%の損失。100万円の納税で3,360円の持ち出し。この場合はカード払いのメリットはない。

還元率1.0%のカードの場合:還元1.0% − 手数料0.836% = 0.164%の利益。100万円の納税で1,640円の得。500万円なら8,200円の得。

還元率1.5%のカードの場合:還元1.5% − 手数料0.836% = 0.664%の利益。100万円の納税で6,640円の得。500万円なら33,200円の得。

結論として、ポイント還元率1.0%以上のカードで納税する場合のみ、手数料を差し引いてもプラスになります。還元率0.5%のカードでは手数料の方が高くなるため、現金(銀行振込)で納付する方が合理的です。

納税に向いている法人カード5選

①Airカード(リクルート)

年会費:5,500円(税込)。還元率:1.5%。ブランド:JCB。

納税でのメリット:還元率1.5%は法人カード最高水準。手数料0.836%を差し引いても0.664%の実質利益。年間500万円の納税で約33,200円の得。年会費5,500円を差し引いても27,700円のプラス。

ただし利用限度額が最大100万円と低いため、高額の納税には限度額の増額申請が必要。1回100万円以上の納税を予定している場合は、事前にJCBに限度額の一時引き上げを申請してください。

②NTTファイナンス Bizカード レギュラー

年会費:永年無料。還元率:1.0%。ブランド:Visa。

納税でのメリット:年会費無料で還元率1.0%。手数料を引いても0.164%の実質利益。年間500万円の納税で約8,200円の得。年会費が無料のため、得した分がすべて手元に残る。

利用限度額が40〜80万円と低いため、高額の納税には分割納付が必要。

③楽天ビジネスカード

年会費:2,200円(税込)※楽天プレミアムカード年会費11,000円が別途必要。還元率:1.0%。ブランド:Visa。

納税でのメリット:還元率1.0%でポイントは楽天市場で利用可能。楽天市場での仕入れが多い企業にとっては、納税で貯めたポイントを仕入れに充当できる実質的なコスト削減ループが作れる。合計年会費13,200円と高めだが、年間200万円以上の納税があれば回収可能。

④アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

年会費:36,300円(税込)。還元率:1.0%。ブランド:American Express。

納税でのメリット:利用限度額に一律の上限がないため、高額の納税に対応しやすい。年間1,000万円以上の納税がある企業は、限度額を気にせずカード払いできる。年会費が高額だが、出張の多い経営者は空港ラウンジ・旅行保険の付帯サービスで回収可能。

⑤セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

年会費:永年無料。還元率:0.5%(対象サービスで2.0%)。ブランド:American Express。

納税でのメリット:基本還元率0.5%のため納税では手数料負けする(0.5% − 0.836% = −0.336%)。ただし年会費無料のため、キャッシュフロー改善(支払いの繰り延べ)を目的とするなら選択肢になる。「ポイントで得する」ではなく「支払い時期をずらして手元資金を確保する」目的のカード払い。

納税をカード払いにすることのキャッシュフロー上のメリット

ポイント還元以外にも、カード払いにはキャッシュフロー上のメリットがあります。

法人税や消費税の納付期限が到来しても、カードの引き落とし日は翌月以降になります。例えば3月決算の法人が5月末に消費税を納付する場合、カード払いにすれば実際の引き落としは6月末〜7月末になります。約1〜2ヶ月の資金猶予が生まれるため、その間の資金繰りに余裕ができます。

年間1,000万円の納税を12ヶ月に分散して毎月カード払いにすれば、常に約80〜170万円分の支払い猶予が発生している状態になります。これは無利息の短期借入と同じ効果です(還元率1.0%以上のカードなら、手数料を差し引いてもなお実質無料以上)。

法人カードで納税する際の注意点

注意点1:領収証書が発行されない

クレジットカード払いの場合、税務署から領収証書が発行されません。納付完了画面の印刷またはスクリーンショットを保存し、カード利用明細と合わせて保管してください。帳簿上は「法人税等」として通常通り仕訳を行います。

注意点2:分割払い・リボ払いはできない

国税のカード払いは一括払いのみです。分割払いやリボ払いは選択できません。そのため、カードの利用限度額内で一括払いができる金額であることが前提です。

注意点3:ポイント還元率が0.5%以下のカードでは損

前述の通り、手数料率は約0.836%です。還元率がこれを下回るカードでは、手数料の方が高くなり損をします。還元率が0.5%のカードしか持っていない場合は、納税のためだけに還元率1.0%以上のカードを追加で作ることも検討に値します。NTTファイナンスBizカードなら年会費無料で還元率1.0%のため、「納税専用カード」として持つコストはゼロです。

注意点4:利用限度額を事前に確認する

法人税や消費税は1回の納付額が数百万円になることがあります。カードの利用限度額を超えると決済が失敗します。納付前に利用可能残高を確認し、必要に応じてカード会社に一時的な限度額引き上げを申請してください。

注意点5:ダイナースクラブは国税のカード払いに非対応

国税クレジットカードお支払サイトで利用できるのは、Visa、Mastercard、JCB、American Express の4ブランドです。Diners Club は非対応のため注意してください。

地方税のカード払い状況

地方税(法人住民税・法人事業税・固定資産税等)のカード払い対応は自治体によって異なります。

東京都は「都税クレジットカードお支払サイト」で法人都民税・法人事業税のカード払いに対応しています。手数料率は国税と同程度(約0.8%)です。

大阪市、横浜市、名古屋市等の政令指定都市も対応が進んでいます。

一方、地方の自治体ではまだ対応していないケースが多くあります。お住まいの自治体の公式サイト、または「地方税お支払サイト」(https://www.payment.eltax.lta.go.jp/)で確認してください。

この記事の更新履歴

  • 初版公開
深作浩一郎
この記事の著者・監修
代表取締役 深作浩一郎

深作浩一郎|株式会社エグゼクティブマーケティングジャパン 代表取締役 / 空き家地方創生株式会社 取締役CFO。2,000社以上の中小企業支援実績を持つマーケティングコンサルタント。CFOとしてTOKYO PRO Market上場準備を主導し、監査法人対応・J-Adviser審査対応・財務戦略の策定・金融機関への融資交渉・資金繰り計画を統括。自らも通販会社の設立と会社売却を繰り返す仕組みを作り、法人カード・ビジネスローン・ファクタリング等の法人金融サービスを経営実務として活用。著書に『ゼロイチ起業』『現在の自分をお金に変える方法』。