春の作付けに必要な肥料を注文した。昨年と同じ量なのに、請求額が3割増しだった。農薬も値上がりした。トラクターの軽油代も上がっている。しかし農産物の販売価格は据え置き。
農業は「投入コスト(肥料・農薬・燃料・資材)が上がっても、産出物の価格を自由に上げられない」という構造的な問題を抱えています。市場価格やJAの買い取り価格は、個別の農家がコントロールできるものではない。コストだけが上がり、売上は変わらない。
この記事では、農業資材の高騰がなぜ起きているのか、利用できる補助金・制度融資、即日の資金確保方法を解説します。
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ナフサ・原油価格が農業資材に与える影響
農業はエネルギー多消費産業です。肥料、農薬、燃料、ビニールハウスの被覆材、マルチフィルム。これらの多くが石油化学製品であり、ナフサ・原油価格に連動しています。
肥料。化学肥料の原料であるアンモニアは天然ガスから製造。天然ガス価格は原油価格に連動する傾向がある。尿素、硫安、化成肥料の価格が2020年比で1.5〜2倍に高騰したケースもある。
農薬。農薬の有効成分や乳剤の溶剤はナフサ由来の化学品。農薬の容器(プラスチック)もナフサ由来。農薬メーカーは原材料費の上昇を年1〜2回の値上げで製品価格に反映。
燃料。トラクター、コンバイン、乾燥機の燃料(軽油・灯油)は原油価格に直結。ビニールハウスの暖房用灯油も同様。冬季の施設園芸では暖房用灯油代が経費の20〜30%を占めるケースもある。
農業用資材。ビニールハウスの被覆材(ポリオレフィンフィルム)、マルチフィルム(ポリエチレン)、灌漑用パイプ(塩ビ管)。すべてナフサ由来。
農家が利用できる補助金・制度融資
農業は他の業種と比べて、資材高騰に対する補助金・制度融資が充実しています。
肥料価格高騰対策事業。化学肥料の使用量を2割以上低減する取り組みを行う農業者に対して、肥料コスト増加分の7割を補助する制度(国と地方の負担)。申請先はJAまたは市区町村の農政課。
セーフティネット資金(農林漁業セーフティネット資金)。自然災害や資材価格の高騰で経営に影響を受けた農業者向けの融資。金利年0.16〜0.4%程度(実質無利子のケースあり)。融資限度額600万円(特認1,200万円)。申請先はJA(農協)または日本政策金融公庫(農林水産事業)。
農業近代化資金。農業経営の改善に必要な資金を低金利で融資する制度。金利年0.16〜0.60%程度。融資限度額1,800万円(個人)。機械・設備の導入、資材の購入に利用可能。
経営体育成強化資金。経営改善のための長期・低金利の融資。金利年0.16〜0.30%程度。融資限度額1.5億円。農地の取得、施設の整備、運転資金に利用可能。
これらの制度を知らずに、高金利のビジネスローンで資金繰りをしのいでいる農家もいます。農業分野の制度融資は金利が非常に低い(実質無利子〜年0.6%程度)ため、まずはJAまたは市区町村の農政課に相談してください。
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即日の資金確保が必要な場合
制度融資の審査には2〜4週間かかります。「今週中に肥料代を払わないと作付けに間に合わない」という場合は、即日の資金確保が必要です。
ファクタリング。出荷先(JA、直売所、スーパー、飲食店等)への売掛金があれば、ファクタリングで即日現金化できます。ペイトナーファクタリング(最短10分)、ラボル(最短60分)が候補。
ファクタリングの詳細はファクタリングおすすめ比較7選を参照してください。
ビジネスローン。売掛金がない場合(直売が中心で売掛金がない農家等)は、AGビジネスサポート(最短即日)で短期の運転資金を確保。制度融資の審査結果が出たら、ビジネスローンを完済して制度融資に切り替える。
ビジネスローンの比較はビジネスローンおすすめ比較8選を参照してください。
農業の資材コストを構造的に下げる方法
コスト削減策1:化学肥料の使用量を削減する。堆肥や緑肥(レンゲ、クローバー等)の活用で化学肥料の使用量を30〜50%削減できるケースがある。土壌分析に基づいた適正施肥で無駄な肥料投入を減らす。
コスト削減策2:燃料費を削減する。ビニールハウスの保温性を高める(二重カーテン、保温資材の導入)。暖房機の効率改善。ヒートポンプの導入(灯油暖房と比較して燃料費50〜70%削減のケースあり、ただし初期投資が必要)。
コスト削減策3:直販比率を上げて売上単価を上げる。JA出荷では市場価格に左右されるが、直売所、ネット通販、飲食店への直販であれば、自分で価格を決められる。直販の売上比率を上げることで、資材コストの上昇を売上単価で吸収できる構造に変える。
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