資金調達

塗装業・防水業の資金繰り|塗料・シーリング材の価格高騰で利益を確保する方法【2026年】

外壁塗装1件あたりの塗料代が、2年前と比べて5〜8万円上がっている。シーリング材も上がった。溶剤も上がった。しかし元請けからの請負金額は据え置き。

塗装業・防水業は、ナフサ価格の高騰の影響を最も直接的に受ける業種の一つです。塗料の主成分である合成樹脂(アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素)も、塗料を溶かす溶剤(トルエン、キシレン等)も、シーリング材の主成分も、すべてナフサ由来の石油化学製品だからです。

この記事では、塗装業・防水業の資金繰りがナフサ高騰でどう影響を受けるかを具体的に解説し、利益を確保するための実践策を紹介します。

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ナフサ価格と塗料・シーリング材の関係

塗料の原材料構成を理解すると、ナフサ価格の影響度がわかります。

塗料の原材料。合成樹脂(塗膜を形成する主成分):ナフサ→エチレン・プロピレン→アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂。原材料費の30〜50%を占める。溶剤(樹脂を溶かして塗りやすくする):ナフサ→トルエン、キシレン、酢酸エチル。原材料費の10〜20%。顔料・充填材:酸化チタン(白色顔料)等。ナフサとは直接関係ないが、エネルギーコストの上昇で間接的に値上がり。

つまり塗料の原材料費の40〜70%がナフサ由来です。ナフサ価格が20%上がれば、塗料の原材料費は8〜14%上昇する計算になります。

シーリング材も同様。ポリウレタン系シーリング、変成シリコン系シーリングの主成分は合成樹脂であり、ナフサ価格に直結します。

大手塗料メーカー(日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研等)は2022年以降、年に1〜2回のペースで値上げを実施しています。値上げ幅は1回あたり5〜15%。累積で20〜40%の値上げになった製品もあります。

塗装業の収支シミュレーション:材料費高騰の影響

戸建て外壁塗装(30坪)の収支例で影響を確認します。

2023年の収支。請負金額:100万円。塗料代:15万円。シーリング材:3万円。その他材料(養生・下地材等):4万円。足場代(外注):15万円。人工(にんく):30万円。交通費・諸経費:5万円。経費合計:72万円。利益:28万円。

2026年の収支(材料費20%上昇後)。請負金額:100万円(据え置き)。塗料代:18万円(+3万円)。シーリング材:3.6万円(+0.6万円)。その他材料:4.8万円(+0.8万円)。足場代(外注):17万円(+2万円)。人工(にんく):30万円(据え置き)。交通費・諸経費:5.5万円(+0.5万円)。経費合計:78.9万円。利益:21.1万円(−6.9万円)。

利益が28万円→21.1万円。約25%の減少。年間20件施工するなら、年間の利益減少は138万円。これが「請負金額を据え置いたまま材料費高騰を吸収する」ことの代償です。

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利益を確保するための5つの実践策

実践策1:見積もりに材料費変動条項を入れる。「材料費が見積もり時点から10%以上変動した場合は、差額を精算します」と見積書に明記する。施主(直接契約の場合)または元請けに事前に説明し、合意を得る。

実践策2:塗料の仕入れ先を複数確保し、相見積もりを取る。同じ塗料でも仕入れルート(建材店、メーカー直販、ネット通販)によって価格が異なる。複数の仕入先に見積もりを依頼し、最も有利な価格で購入する。年間の発注量をまとめて交渉すれば、ボリュームディスカウントが得られるケースもある。

実践策3:塗料のグレードと使用量を最適化する。施主の要望と予算に応じて、必要十分な塗料グレードを提案する。過剰スペックの塗料を使っていないか見直す。塗料の使用量を適正化する(過剰な膜厚は品質に寄与しない部分がある)。

実践策4:直接受注(元請け)の比率を増やす。下請けで100万円の仕事を、施主から直接受注すれば130〜150万円の売上になる。元請けマージン分が自分の利益に変わる。WebサイトやSNSでの集客、既存顧客からの紹介で直接受注を増やす。

実践策5:施工効率を上げて人工を削減する。高機能な塗装機器(エアレススプレー等)の導入で施工スピードを上げる。段取りの改善で無駄な待ち時間を削減する。材料費の上昇を、人工の削減で相殺する。

材料費の立て替え負担を軽減する資金調達

塗料や足場代の支払いは先払い。施主や元請けからの入金は施工完了後。このタイムラグを埋める方法です。

ファクタリング。元請けへの売掛金を即日現金化し、次の現場の材料費に充てる。ペイトナーファクタリング(最短10分)、ラボル(最短60分)、OLTA(最短即日・手数料2〜9%)。

ファクタリングの詳細はファクタリングおすすめ比較7選を参照してください。

ビジネスローン。売掛金がない場合はAGビジネスサポート(最短即日)で短期の材料費を確保。入金後に完済。

ビジネスローンの比較はビジネスローンおすすめ比較8選を参照してください。

資金繰り改善の全体像はキャッシュフロー改善の方法7選を参照してください。

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この記事の更新履歴

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よくある質問

Q 塗料の値上がりは今後も続きますか?
A

ナフサ価格に依存するため正確な予測は困難ですが、脱炭素関連のコスト増や円安の影響で、長期的には上昇傾向が続く可能性があります。スライド条項の導入や仕入先の分散で、変動リスクに備えてください。

Q 塗装業でもファクタリングは使えますか?
A

使えます。元請けへの売掛金(施工完了後の請求書)があれば、ファクタリングで即日現金化できます。次の現場の塗料代に充てることで、材料費の立て替え負担を軽減できます。

深作浩一郎
この記事の著者・監修
代表取締役 深作浩一郎

深作浩一郎|株式会社エグゼクティブマーケティングジャパン 代表取締役 / 空き家地方創生株式会社 取締役CFO。2,000社以上の中小企業支援実績を持つマーケティングコンサルタント。CFOとしてTOKYO PRO Market上場準備を主導し、監査法人対応・J-Adviser審査対応・財務戦略の策定・金融機関への融資交渉・資金繰り計画を統括。自らも通販会社の設立と会社売却を繰り返す仕組みを作り、法人カード・ビジネスローン・ファクタリング等の法人金融サービスを経営実務として活用。著書に『ゼロイチ起業』『現在の自分をお金に変える方法』。