チラシ10,000部の印刷。見積もりを出したが利益がほとんど残らない。用紙代が2年前の1.3倍。インキ代も上がった。「この単価では赤字になる」とわかっていても、断れば仕事がなくなる。
印刷業は「用紙」と「インキ」という2大原材料の価格に利益が左右される業種です。用紙はパルプ価格とエネルギーコストに、インキはナフサ由来の溶剤・樹脂に依存しています。両方が同時に値上がりする状況で、印刷単価を据え置いたまま受注を続ければ、受注すればするほど赤字が積み上がる。
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ナフサ価格と印刷業の原材料費の関係
インキの原材料構成。樹脂(バインダー):ナフサ→合成樹脂。インキの約20〜30%。溶剤:ナフサ→トルエン、酢酸エチル等。インキの約30〜40%。顔料:有機顔料の一部はナフサ由来。つまり、インキ原材料の50〜70%がナフサ由来です。
用紙の価格もナフサに間接的に影響を受けます。紙の製造には大量のエネルギー(電気・蒸気)が必要であり、エネルギーコストの上昇が用紙価格に反映されます。また、紙のコーティングに使われる樹脂もナフサ由来です。
2022年以降、大手製紙メーカー(王子製紙、日本製紙等)は複数回の値上げを実施。インキメーカー(DIC、東洋インキ等)も同様。印刷業者への納入価格は2020年比で用紙が20〜30%、インキが15〜25%上昇しています。
印刷業の資金繰りを改善する方法
改善策1:印刷単価を見直す。現在の原材料費を反映した見積もり基準に更新する。「用紙・インキの値上がり分を反映した新価格表」を作成し、クライアントに通知する。新規クライアントには最初から新価格で提示。既存クライアントには段階的に改定。
改善策2:付加価値の高い案件にシフトする。大量・低単価のチラシ印刷から、少量・高単価の商業印刷(パッケージ、POP、特殊印刷等)にシフトする。デザインからワンストップで受注し、印刷単価だけでなくデザイン料で利益を確保する。
改善策3:用紙の代替提案を行う。クライアントの要望する用紙が高額な場合、同等の品質でコストの低い代替用紙を提案する。用紙の銘柄にこだわらないクライアントであれば、メーカー在庫の余剰品(格安で入手可能)を活用する。
改善策4:ファクタリングで材料費の立て替え負担を軽減する。印刷完了後のクライアントへの売掛金をファクタリングで即日現金化し、次の案件の用紙・インキ代に充てる。
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