1ドル110円の頃に作った見積もり。その見積もりで受注した案件。しかし今、ドル円は150円台。輸入原材料の仕入れ価格が、見積もり時点から36%上がっている。
円安は、輸入原材料に依存する中小企業にとって「見えない値上げ」です。原材料そのものの国際価格が変わっていなくても、円安が進めば円建ての仕入れ価格は自動的に上がる。しかし、国内の取引先に「為替が変わったので値上げします」と言っても、理解を得にくい。
為替は自分でコントロールできません。しかし、為替の変動に「振り回されない仕組み」を作ることはできます。
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円安が輸入原材料に与えるインパクト
具体的な数字で影響を確認します。
ドル建ての原材料を月1万ドル分仕入れている場合。1ドル110円のとき:月110万円。1ドル130円のとき:月130万円(+20万円)。1ドル150円のとき:月150万円(+40万円)。
つまり、1ドル110円→150円の円安で、月間の仕入れコストが36%増加。年間で480万円の負担増。中小企業にとって年間480万円は、設備投資や人材採用に匹敵する金額です。
ナフサの国際取引もドル建てです。ナフサの国際価格が変わらなくても、円安が進むだけでナフサの円建て価格は上昇し、下流の石油化学製品(プラスチック、塗料、接着剤等)の国内価格が上がります。
対策1:国内調達への切り替えを検討する
輸入原材料の一部を国内調達に切り替えることで、為替変動の影響を軽減できます。
完全に同じスペックの国産品がなくても、「性能が許容範囲内」の国産代替品がないか調査してください。国産品は輸入品より単価が高いケースもありますが、為替変動のリスクがゼロになる。長期的な安定性を考えれば、多少の単価増はコストではなくリスクヘッジです。
すべてを国内に切り替える必要はありません。輸入依存度を100%→50%に下げるだけでも、為替変動の影響は半減します。
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対策2:為替の変動を契約に反映する仕組みを導入する
取引先との契約に「為替スライド条項」を導入します。「為替レートが基準レート(契約時のレート)から5%以上変動した場合、仕入れコストの変動分を製品価格に反映する」という条項です。
これにより、円安が進んだ場合は製品価格を引き上げ、円高に戻った場合は引き下げる。取引先にとっても「市場環境に連動した透明性のある価格体系」であり、受け入れられやすい。
対策3:当面の仕入れコスト増を資金繰りでカバーする
国内調達への切り替えや契約の変更には時間がかかります。当面の仕入れコスト増加分を資金繰りで吸収する方法です。
ファクタリングで売掛金を即日現金化し、増加した仕入れ代金の支払いに充てる。ペイトナーファクタリング(最短10分)、ラボル(最短60分)、OLTA(最短即日・手数料2〜9%)。
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日本政策金融公庫のセーフティネット貸付。円安による経営への影響として、低金利(年1〜2%台)の融資を受けられる可能性がある。
資金繰り改善の全体像はキャッシュフロー改善の方法7選を参照してください。原材料費の価格転嫁は原材料費が上がったのに値上げできない中小企業の価格転嫁ガイドを参照してください。
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