IVRは結局オペレーターが必要なのか。経営者として私が出した結論

「IVRを入れたのに、結局オペレーターが減らない」「自動音声を流しても、最後は人が取るしかない」。この悩みは、電話対応を何とか効率化したいと考えた経営者ほど一度はぶつかります。私自身も、複数の法人を立ち上げ、少人数で売上と利益率を両立させる仕組みを作る中で、電話対応の自動化にはかなりの時間とコストを使ってきました。そのうえで言えるのは、従来型のIVRは、受付の振り分けには使えても、電話業務そのものの利益構造までは変えにくいということです。

なぜなら、IVRは基本的に「どの担当につなぐか」を整理する仕組みであって、「対応そのものを完了させる」仕組みではないからです。問い合わせ内容の確認、予約の受付、キャンセル処理、よくある質問への回答、クレームの一次受け、こうした実務の大半は、最終的に人が対応する前提で設計されています。つまり、入口だけ自動化しても、出口に人件費が残り続ける構造です。

経営の視点で見ると、ここが一番重要です。電話対応の問題は、鳴ること自体ではありません。人が時間を拘束され、同時対応できず、営業時間外を取りこぼし、教育コストと精神的コストまで発生することが本質です。IVRを入れても、その根本が変わらないなら、オペレーターは結局必要なままです。

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IVRでオペレーターが必要になり続ける理由

IVRが悪いわけではありません。着信の振り分けや、担当部署への誘導には一定の意味があります。ただ、経営者として冷静に見ると、IVRは電話業務の一部しか置き換えていません。たとえば「予約の方は1番」「注文変更は2番」「法人のお問い合わせは3番」と案内しても、その先で人が出るなら、対応コストの本体は残ります。

しかも、電話が集中する時間帯は、IVRがあってもオペレーターの数以上には捌けません。3人しかいなければ、同時に4件目の電話は待たせるか、取りこぼすしかない。これは店舗でも、ECでも、クリニックでも、士業でも同じです。IVRは同時対応の問題を解決しません。振り分けるだけで、処理能力そのものは増えないからです。

さらに現場では、IVRを嫌がる顧客も一定数います。急いでいる人ほど途中で離脱しやすく、階層が深いほどストレスになります。結果として、せっかく入電した見込み客が途中で切る。これは単なる電話効率の問題ではなく、売上の機会損失です。月間で数十件の失注が出れば、システム費用の差など一瞬で吹き飛びます。

人件費の観点でも同じです。仮に電話対応スタッフの時給コストが、給与、社会保険、管理工数、採用教育コストを含めて実質1,800円から2,500円だとすると、1日5時間の電話拘束で月20日稼働するだけで、1人あたり18万円から25万円程度の固定負担になります。そこに離職や引き継ぎのコストまで乗る。IVRを入れても最後に人が必要なら、この構造は大きく変わりません。

人を増やす、外注するでは根本解決にならない

電話が多いなら人を増やせばいい。昔はこの発想が一般的でした。しかし今は採用そのものが難しく、採れても定着しません。電話対応は精神的な消耗が大きく、業務知識も必要で、しかもマルチタスクが求められます。結果として、教育に時間がかかる割に辞めやすい。経営者にとってはかなり重い業務です。

外注も一見すると合理的ですが、実際には限界があります。コールセンターに委託しても、結局は台本設計、例外対応の判断、エスカレーションルール、品質管理が必要です。複雑な商材や顧客単価が高い業種ほど、外注先だけでは完結しません。想定外の質問や感情的なクレームは社内に戻ってきます。つまり、費用を外に出しただけで、経営負担は消えないのです。

私が支援してきた法人でも、電話対応を人で回そうとした会社ほど、利益率が下がりやすい傾向がありました。理由は単純です。電話は1対1でしか処理できず、営業時間にも縛られ、教育しないと品質が安定しないからです。売上が伸びるほど電話も増え、人を足すほど固定費が増える。これはスケールするモデルではありません。

経営では、売上を増やすより先に、固定費が増える構造を止めることが大事です。電話対応が売上の入口になっている会社ほど、この見直しは後回しにできません。IVRで一部を整理し、人や外注で残りを捌くやり方は、確かに延命にはなります。しかし、利益率改善という意味では中途半端です。

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結論として必要なのはIVRではなく、対応完了まで自動化する仕組み

そこで私は、電話の入口ではなく、電話業務そのものを自動化する発想に切り替えました。その中で実務レベルで使えると判断したのが、SmartCall(スマートコール)です。これは単なる自動音声案内ではありません。受注、予約、変更、キャンセル受付、FAQ対応、クレームの一次対応など、これまでオペレーターが担っていた実務を自動化できるのが本質です。

従来型のIVRが「担当につなぐ仕組み」だとすれば、SmartCallは「つながずに完了させる仕組み」です。この差は経営上とても大きい。人に渡す前提の仕組みは、人件費から逃れられません。一方で、AIが一次対応から処理完了まで担えると、同時対応数の制限がほぼなくなり、営業時間外も受付でき、スタッフが本来やるべき高付加価値業務に集中できます。

自社や関与先で見ても、電話の大半は高度な属人判断を必要としていません。営業時間の確認、予約空き状況の案内、注文内容の確認、配送やキャンセルの受付、よくある質問への回答。このあたりは、仕組み化さえすれば人が都度やる必要がない業務です。にもかかわらず、多くの会社は慣習で人にやらせています。ここに無駄なコストが溜まっています。

しかも、SmartCallは月数万円レベルから導入できるため、フルタイムの電話要員を1人抱えるよりも圧倒的に軽い固定費で回せます。電話が月に数百件以上ある会社なら、費用対効果はかなり見えやすいはずです。人を1人削るという発想ではなく、そもそも採らなくていい状態を作る。この視点に変わると、利益率は一気に改善しやすくなります。

今もオペレーターが必要だと思っている会社ほど、早く見直した方がいい

もちろん、すべての電話が100パーセント同一の定型処理ではありません。最終的に人の判断が必要な場面は残ります。ただし、重要なのは全件を人が受ける必要はないということです。実際には、全体のかなりの割合を自動化し、例外案件だけ人に回せば十分です。この設計に変えるだけで、電話業務の負荷は大幅に軽くなります。

経営者として見るべきなのは、「オペレーターが必要か不要か」という二択ではありません。「どこまで人を介さずに完了させられるか」です。従来のIVRは、この答えが小さい。一方で、AI電話を前提にした設計なら、この答えを大きくできます。ここが、今後の電話DXの分岐点になると私は見ています。

特に、以下のような会社は早めに見直す価値があります。

  • 営業時間外の取りこぼしが多い会社
  • 予約、受注、変更、問い合わせが電話に集中している会社
  • 電話スタッフの採用や定着に悩んでいる会社
  • クレーム一次対応で現場が疲弊している会社
  • 売上はあるのに利益率が上がらない会社

こうした会社では、電話対応が単なる業務ではなく、利益率を下げる構造そのものになっています。だから私は、IVRで延命するより、最初からSmartCallを前提に電話業務全体を組み替える方が合理的だと考えています。人がやらなくていい業務を人にやらせ続ける限り、採用難も、教育負担も、機会損失も終わりません。

IVRは結局オペレーターが必要なのか。この問いに対する私の結論は明確です。従来型のIVRだけでは、結局かなりの範囲でオペレーターは必要です。しかし、電話業務を対応完了まで自動化する設計に変えれば、その前提自体を崩せます。今の時代に経営判断として必要なのは、電話を人で回し続けることではなく、電話を利益の出る仕組みに置き換えることです。

電話対応に限界を感じているなら、まず見直すべきはスタッフの人数ではありません。業務設計そのものです。私は、すべての電話対応はSmartCallでDX化できると考えています。少なくとも、これまで人がやるしかないと思われていた業務の大半は、もう仕組みに置き換えられる段階に来ています。人を増やさず、利益率を上げたいなら、先送りにする理由はありません。

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深作浩一郎(Fukasaku Koichiro) 株式会社エグゼクティブマーケティングジャパン代表取締役。ビジネス書著者。 マーケティングとAIを軸に、再現可能な成功モデルを社会に実装し続ける実務家。 地域再生、空き家・古民家活用、中小企業マーケティング、起業家育成、AI・DX領域を横断し、構想・設計・実装までを一貫して手がけている。 2014年の法人設立以降、起業家や中小企業に対するコンサルティングや事業支援を多数実施。 コンテンツビジネスやオンラインビジネスの構築、複合型マーケティング戦略の立案を得意とし、クライアントの持続的な事業成長を支援してきた。 また、若手起業家や学生の育成にも力を入れており、地域の大学生を経営者として抜擢し会社経営を任せるなど、実践型の起業教育を推進。 北海道を中心に展開している実践型インターンシップは、地域でも屈指の規模と実績を持つ人材育成プログラムとして知られている。 教育や支援の分野では「自走できる事業者を生み出すこと」を重視し、成功した施策のみを構造化して他地域・他事業へ移植可能な「再現モデル」として提供。 成功を個人の才能や偶然に依存させるのではなく、仕組みとして社会に残すことを理念としている。 現在は全国各地で空き家・古民家の再生プロジェクトを推進し、高付加価値な宿泊施設や地域ブランドとして成立させる取り組みを展開。 あわせて、検索・AI時代に対応したマーケティング導線の設計や、AIを組み込んだ自走型事業モデルの開発にも取り組んでいる。 2019年にはオンライン専業の販売代理店制度を構築し、300以上の代理店が加盟。 起業やマーケティングに関するビジネス書を出版し、いずれもAmazonランキング1位を獲得。 また、自社AIツールの開発による業務効率化とマーケティングの自動化にも取り組み、鮨深作などの経営者・起業家むけイベントの開催をはじめ「楽しさのお裾分け」をテーマとした経営者向けメールマガジンは1万人以上が購読している。

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