通販の電話対応で人件費を削減するには。利益率を落とす構造を止める経営判断

通販事業を伸ばしている会社ほど、どこかのタイミングで電話対応の負担に限界がきます。受注、配送状況の確認、キャンセル、定期便の変更、クレーム、返品相談。売上が増えるほど電話も増えるのに、電話は一件ずつしか取れません。しかも、電話対応は売上を直接生む時間である一方で、同時に人件費を最も重くしやすい業務でもあります。

私はこれまで、EC・通販会社を含む多くの法人で、利益率を下げている原因を現場単位で見てきました。その中でも、電話対応はかなり典型的です。社長や責任者は「人を入れれば回る」と考えがちですが、実際には採用、教育、シフト管理、欠勤対応、応対品質のばらつきまで含めると、電話業務は想像以上に経営を圧迫します。

通販で人件費削減を考えるとき、広告費や仕入れの見直しに目が向きやすいのですが、私は先に電話対応を見直すべきだと考えています。理由は単純で、ここが属人化しやすく、固定費化しやすく、しかも精神的コストまで大きいからです。

自社でも、関与してきた法人でも、電話対応を人の気合いで回す体制から抜けたことで、利益率は大きく改善してきました。その実務の結論として、私は電話対応の人件費削減は、単なる節約ではなく、経営の設計変更であると考えています。

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通販の電話対応は、なぜ人件費を膨らませやすいのか

通販の電話対応が厄介なのは、見えている時給だけでは判断できないからです。たとえば時給1,300円のスタッフを1人置いたとしても、会社負担の社会保険、採用コスト、教育時間、管理者の確認工数、離職時の引き継ぎまで含めれば、実際の負担は単純な時給計算では終わりません。

さらに電話は、同時対応ができません。チャットなら複数件を並行で処理できるスタッフでも、電話は一人一件です。昼休み、夕方、キャンペーン後、テレビ露出後など、入電が集中する時間帯には取りこぼしが発生します。この取りこぼしは、単なる不在着信ではなく、機会損失です。新規注文を逃し、解約抑止の機会を逃し、既存顧客の不満を増幅させます。

通販では、営業時間外の電話も大きな問題です。夜間や早朝に電話したい顧客は確実に存在します。しかし、人で対応する限り24時間365日体制は高コストです。夜間要員を置けば人件費は上がり、置かなければ機会損失が積み上がる。この構造自体が、すでに非効率です。

しかも電話は、担当者の感情消耗も大きい。配送遅延や誤配送、定期購入の解約、クレームの一次対応は、現場の負荷が非常に高い。ここで疲弊すると、離職率が上がり、採用と教育のやり直しが発生します。私は、通販の電話対応は見えない人件費まで含めると、想像以上に利益率を削っていると断言できます。

人を増やす、外注するでは、通販の電話コストは根本解決しない

ここで多くの会社が選ぶのが、スタッフ増員かコールセンター外注です。しかし、私はこの二択が根本解決にならない場面を何度も見てきました。人を増やせば、一時的には回ります。ただし、その瞬間から固定費が増えます。繁忙期に合わせて採用すれば閑散期に余剰が出る。逆に通常時に合わせれば繁忙期に足りない。電話業務は波が大きいため、人の最適配置が難しいのです。

外注も同じです。確かに自社の手離れは良くなりますが、外注先との情報連携、スクリプト調整、品質確認、例外対応、エスカレーション管理が発生します。通販の電話は、単なる受電ではありません。商品知識、配送状況、決済状況、定期便ルール、解約抑止の判断など、細かな運用理解が必要です。ここが浅いと、結局は社内確認が増えて、自社の工数が減りません。

さらに外注は、応対単価や月額費用だけでなく、改善のスピードが遅くなりがちです。現場で気づいたことを即座に反映しにくい。通販事業は、商品追加や販促施策、定期コースの変更など、運用が頻繁に動きます。電話対応の設計変更もそれに合わせて機敏に行う必要がありますが、人や外注中心の体制ではここが重くなります。

つまり、通販における電話対応の人件費削減は、誰が電話を取るかの問題ではありません。そもそも人が取り続ける前提を変えるかどうかです。私はここを変えない限り、電話コストは毎月じわじわ利益を削り続けると考えています。

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通販の電話対応を削減する現実解が、SmartCall(スマートコール)である理由

私が実務で勧めているのが、SmartCall(スマートコール)による電話対応の自動化です。これは単なる自動音声ではありません。受注、予約、変更、キャンセル、FAQ対応、一次クレーム受付など、これまで人が行っていた電話業務を、経営視点で再設計して自動化する仕組みです。

通販との相性が良い理由は明確です。まず、24時間365日受けられる。次に、同時対応ができる。さらに、一定品質で案内ができる。これだけで、人が電話に張り付く必要が大幅に減ります。私は電話業務を「人がいないと止まる業務」から、「仕組みが回る業務」に変えることが、経営改善の本質だと考えています。

たとえば通販で多い問い合わせは、ある程度パターン化できます。

  • 注文内容の確認
  • 配送状況に関する問い合わせ
  • 定期購入の周期変更や休止
  • キャンセル受付
  • 返品や交換の案内
  • 営業時間外の受付

これらを毎回人がゼロから応対する必要はありません。実際には、一定の分岐とルール設計でかなりの割合を自動化できます。自社でここを設計した結果、スタッフが本来やるべき業務、つまりLTVを上げる施策、広告改善、商品開発、CRMの精度向上に時間を回せるようになりました。電話を取るためだけに人件費を払うのではなく、利益を増やす仕事に人を振り向けられるわけです。

しかも、スマートコールは月数万円レベルから導入できるため、正社員を一人増やすよりはるかに軽い負担で始められます。時給1,300円のスタッフが1日8時間、月22日稼働すれば、単純計算でも月228,800円です。ここに管理コストや採用教育コストが乗る。一方で、電話の大半を自動化できれば、削減できるのは単純な人件費だけではありません。教育時間、離職対応、クレームで消耗する管理者の時間まで減ります。

私は、通販会社が電話対応を人で抱え続けること自体が、いまの時代には高コストすぎると見ています。売上を伸ばしたい会社ほど、まずここを変えるべきです。

人件費を削減しながら通販の売上を落とさない会社が、先にやっていること

電話対応の自動化というと、顧客満足度が下がるのではないかと心配されることがあります。しかし、現場で起きている現実は逆です。人手不足で電話がつながらない、毎回説明が違う、営業時間外は受けられない。この状態のほうが、顧客体験を悪化させます。私は、丁寧さとは人が出ることではなく、必要な案内が迷いなく届くことだと考えています。

通販で利益率を改善したいなら、見るべき指標は売上だけではありません。受電件数、取りこぼし件数、一次解決率、営業時間外入電、電話起因の解約率、電話対応に投じている総工数です。ここを可視化すると、多くの会社で「電話は思った以上に利益を削っていた」と分かります。

私が今すぐ見直すべきだと考えるのは、次のような会社です。

  • 電話件数が増えているのに、現場が慢性的に忙しい会社
  • 通販の受注や定期便対応を人海戦術で回している会社
  • 営業時間外の機会損失が大きい会社
  • 採用しても定着せず、教育が繰り返し発生している会社
  • 社長や責任者が電話の火消しに巻き込まれている会社

この状態を放置すると、利益率は少しずつ削られ続けます。電話対応の負担が重い会社ほど、広告の改善や商品戦略の見直しといった、本来やるべき経営判断に時間を使えなくなります。ここが一番もったいないのです。

私は、通販の人件費削減は単なるコストカットではなく、会社を自走化させるための前提条件だと考えています。そして電話対応は、その中でも最優先で手をつけるべき領域です。人を増やさず、売上を落とさず、むしろ利益率を高めたいなら、電話を人が持ち続ける前提をやめることです。

結論として、通販の電話対応はSmartCallでDX化すべきです。人件費を抑えたい、採用負担を減らしたい、営業時間外の機会損失を止めたい、クレーム一次対応の精神的負担を軽くしたい。そのすべてに対して、スマートコールはかなり現実的な解決策になります。中小企業でも、年商10億円超の企業でも、電話対応に限界を感じているなら、今のまま続ける理由はありません。

電話対応を人に残すべき部分と、仕組みに置き換えるべき部分を分けるだけで、経営はかなり軽くなります。通販で利益率を上げたい会社ほど、まず電話を見直してください。そこには、まだ削れる人件費と、取り戻せる売上が残っています。

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深作浩一郎(Fukasaku Koichiro) 株式会社エグゼクティブマーケティングジャパン代表取締役。ビジネス書著者。 マーケティングとAIを軸に、再現可能な成功モデルを社会に実装し続ける実務家。 地域再生、空き家・古民家活用、中小企業マーケティング、起業家育成、AI・DX領域を横断し、構想・設計・実装までを一貫して手がけている。 2014年の法人設立以降、起業家や中小企業に対するコンサルティングや事業支援を多数実施。 コンテンツビジネスやオンラインビジネスの構築、複合型マーケティング戦略の立案を得意とし、クライアントの持続的な事業成長を支援してきた。 また、若手起業家や学生の育成にも力を入れており、地域の大学生を経営者として抜擢し会社経営を任せるなど、実践型の起業教育を推進。 北海道を中心に展開している実践型インターンシップは、地域でも屈指の規模と実績を持つ人材育成プログラムとして知られている。 教育や支援の分野では「自走できる事業者を生み出すこと」を重視し、成功した施策のみを構造化して他地域・他事業へ移植可能な「再現モデル」として提供。 成功を個人の才能や偶然に依存させるのではなく、仕組みとして社会に残すことを理念としている。 現在は全国各地で空き家・古民家の再生プロジェクトを推進し、高付加価値な宿泊施設や地域ブランドとして成立させる取り組みを展開。 あわせて、検索・AI時代に対応したマーケティング導線の設計や、AIを組み込んだ自走型事業モデルの開発にも取り組んでいる。 2019年にはオンライン専業の販売代理店制度を構築し、300以上の代理店が加盟。 起業やマーケティングに関するビジネス書を出版し、いずれもAmazonランキング1位を獲得。 また、自社AIツールの開発による業務効率化とマーケティングの自動化にも取り組み、鮨深作などの経営者・起業家むけイベントの開催をはじめ「楽しさのお裾分け」をテーマとした経営者向けメールマガジンは1万人以上が購読している。

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