開業届を出した。仕事が入り始めた。売上は個人の普通預金口座に入金してもらっている。経費もそこからクレジットカードで引き落とし。生活費も同じ口座から。
この状態に心当たりがある個人事業主は多いはずです。事業用口座を持っていない、あるいは持っていても使い分けができていない。
事業用口座を持たずに個人口座1本で事業を運営すると、「お金がいくらあるか」はわかっても、「事業にいくら使えるか」がわからなくなります。売上が入金されて残高が増えると「余裕がある」と感じ、翌月の経費や税金のことを忘れて使ってしまう。
事業用口座の分離は、資金繰り改善の最初の一歩です。この記事では、事業用口座を持つべき5つの理由と、個人事業主におすすめの銀行口座を解説します。
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理由1:事業の収支が一目でわかる
事業用口座を個人用口座と分けると、事業用口座の入出金=事業の収支になります。
事業用口座の入金=売上。事業用口座の出金=経費。事業用口座の残高=事業の手元資金。
個人口座と混在していると、通帳を見ても「この引き落としは事業の経費か、個人の支出か」が区別できません。事業用口座を分けるだけで、通帳が「簡易的な帳簿」の役割を果たします。
確定申告の際にも、事業用口座の入出金を見れば売上と経費の大部分が把握できるため、帳簿づけの手間が大幅に減ります。
理由2:「使っていいお金」と「使ってはいけないお金」が明確になる
個人事業主の資金繰りが苦しくなる最大の原因は、事業のお金と生活のお金が混在していることです。
事業用口座を分けた上で、毎月一定額を「自分の給料」として個人用口座に移す運用にすれば、「事業用口座に残っているお金=事業に使える金額」が常に明確になります。
例えば、事業用口座の残高が50万円で、今月の経費予定が30万円なら、使える余裕は20万円。この20万円で新しい投資をするか、緊急予備資金に回すか、判断が容易になります。
個人口座と混在していると「口座に80万円あるから余裕だ」と感じますが、そのうち30万円は来月の生活費、20万円は税金用、実質的に使えるのは30万円。この「見かけの余裕」が無駄遣いを誘発します。
資金繰り管理の方法は個人事業主の資金繰り表の作り方を参照してください。
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理由3:融資やビジネスローンの審査で有利になる
金融機関が融資の審査を行う際、事業用口座の入出金履歴を重視します。
事業用口座があれば、売上の入金パターン、経費の支払い状況、資金の流れが明確に示せます。個人口座と混在していると、「この入金は売上か、個人的な振込か」を金融機関が区別できず、審査が不利になります。
特にGMOあおぞらネット銀行の「あんしんワイド」は、口座の入出金データで審査を行うため、事業用口座の履歴が審査に直結します。口座データが蓄積されるほど、有利な条件(低金利・高限度額)で融資を受けられる可能性が高まります。
ビジネスローンの比較はビジネスローンおすすめ比較8選を参照してください。
理由4:税務調査に備えられる
税務調査が入った場合、調査官は事業用口座の入出金を確認します。
事業用口座が個人用口座と分離されていれば、事業に関係のない個人的な入出金を調査官に見られることはありません。個人口座と混在していると、すべての入出金について「これは事業の取引か、個人的な取引か」を説明する必要が生じます。
事業用口座の分離は、税務調査時の手間と心理的負担を大幅に軽減します。
理由5:取引先からの信頼が向上する
取引先に請求書を送る際、振込先が屋号付きの事業用口座であれば、取引先に「きちんと事業を運営している」印象を与えます。
振込先が個人名義の普通預金口座だと、特に法人の取引先は「個人の口座に振り込むのは大丈夫か」と不安を感じるケースがあります。屋号付き口座(「〇〇デザイン事務所 代表 山田太郎」等)であれば、事業としての体裁が整います。
個人事業主におすすめの事業用口座
個人事業主が事業用口座を開設する際の選択肢を紹介します。
GMOあおぞらネット銀行。口座維持手数料:無料。振込手数料:月1回無料(他行宛)。屋号付き口座の開設:可能。ビジネスローン「あんしんワイド」との連携:口座データで審査、決算書不要、年0.9〜14.0%。個人事業主のメインバンクとして最も使いやすい選択肢の一つ。
楽天銀行。口座維持手数料:無料。振込手数料:月3回まで無料(条件あり)。屋号付き口座の開設:個人ビジネス口座として可能。会計ソフトとの連携が容易。
PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)。口座維持手数料:無料。振込手数料:月1回無料(他行宛)。屋号付き口座の開設:ビジネスアカウントとして可能。Visaデビットカード付帯。
ゆうちょ銀行。口座維持手数料:無料。全国の郵便局で入出金可能。屋号付き口座の開設:振替口座として可能。ATMの利便性が高い。ただし、ネット銀行に比べて振込手数料が高い。
メガバンク(三菱UFJ、三井住友、みずほ)。信用力が高い。法人の取引先が多い場合に安心感がある。ただし、口座維持手数料がかかるケースがある(残高条件あり)。振込手数料がネット銀行より高い。
事業用口座の開設手順
ネット銀行の場合。Webサイトから申込。必要書類:本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)、開業届の控え。審査期間:1〜2週間。口座開設後、屋号付きの振込先名を設定できるサービスもある。
メガバンク・地方銀行の場合。最寄りの支店窓口で申込。必要書類:本人確認書類、開業届の控え、印鑑(銀行届出印)。即日〜数日で口座開設。屋号付き口座の開設には、事業の実態を示す資料(請求書、取引先との契約書等)を求められるケースがある。
口座開設後にやるべきこと。取引先に新しい振込先(事業用口座)を案内する。クレジットカードの引き落とし口座を事業用口座に変更する(事業経費用のカードのみ)。会計ソフトと連携して入出金の自動取込を設定する。
資金繰り改善の全体像はキャッシュフロー改善の方法7選を参照してください。
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