株式会社エグゼクティブマーケティングジャパン代表取締役他数社のオーナー。ビジネス書著者。連続起業家。
マーケティングとAIの専門家として知られる。特にAIを活用した中小企業向けのビジネスモデル開発に精通。2014年の法人設立後、自身の経験をもとに起業や独立・経営支援の分野のコンサルティングで顕著な業績を上げ、クライアントの持続的な成長をサポート。コンテンツビジネスを中心に、起業家や各種専門家へのコンサルティングを手掛け、複合型マーケティング戦略の立案・提案を得意とする。
2019年に自社の販売代理店制度を確立し、オンライン専業の新しい時代の販売代理店モデルを構築。国内のビジネスメディア各所で注目を集め、300以上の代理店が加盟。起業指南本およびコンテンツビジネスとマーケティング集客に関するビジネス書を出版し、いずれもAmazon1位のランキングを獲得。
札幌に会社の登記を移転して以来、地元の大学生に起業教育を提供。関連会社やグループ会社を設立し一部のインターン生を社長に任命。初年度から黒字経営を達成するなどの取り組みもありインターン専門WEBマガジンが選ぶ「インターンシップが人気の企業」にも選出される。オーナー経営をする会社の売上と集客を改善するために開発したChatGPTブログ自動生成AI自動化ツール「エブリデイ・オート・AI・ライティング(EAW)」は、広告費0円で訪れた初見客が10万円を超える高単価商品を買っていただける記事を自動生成することに多くのジャンルで成功し、利用者が月150〜190万円の売上の純増を記録するなど実績多数。マーケティングとビジネスノウハウを伝える無料メールマガジンは経営者からビジネスパーソンまで1万人以上の読者が購読中。
この記事でわかること
本記事では、マーケティングにおける「トリプルメディア」という重要なフレームワークの基本的な意味と特徴を詳しく解説しています。トリプルメディアとは、企業と消費者の接点となる「ペイドメディア（広告費を払って広く認知させるメディア）」「オウンドメディア（自社が所有・管理する情報発信メディア）」「アーンドメディア（消費者や第三者による口コミや評判）」の3つを指し、それぞれの役割や連携によってマーケティング効果を最大化する考え方です。記事では具体的な特徴や働き方、成功事例も取り上げ、近年のSNS主体の拡散を含む最新の動向やPESOモデルの紹介も行っています。これにより、効果的なメディア活用方法とマーケティング戦略設計の理解が深まる内容です。
トリプルメディアとは？マーケティングにおける三つのメディアモデル
トリプルメディアとは、マーケティング活動で消費者との接点となる「ペイドメディア（Paid Media）」、「オウンドメディア（Owned Media）」、「アーンドメディア（Earned Media）」という3つのメディア区分を指す重要なフレームワークです。
2009年頃に日本アドバタイザーズ協会のWeb広告研究会によって提唱され、広く活用されるようになりました。これら3つのメディアはそれぞれ異なる役割を持ち、単独で機能するだけでなく、相互に連携して使うことで大きなマーケティング効果を生み出します。
ペイドメディアは広告費を払い、広告枠を使って消費者へ一斉に認知を広げる役割を担います。オウンドメディアは企業が所有・管理する自社メディアで、詳しい情報提供とブランド理解の深化を促します。アーンドメディアは消費者や第三者からの口コミ、評判、シェアを指し、信頼性の高い情報としてブランド価値の向上に寄与します。
現代のデジタルマーケティングに不可欠なこのトリプルメディアの理解は、マーケティング戦略の土台として極めて重要です。
ペイドメディアの特徴と役割
ペイドメディアは企業が広告費を支払い、メディア上で広告を展開することを指し、テレビやラジオ、新聞、雑誌といったマスメディアを含むほか、近年ではリスティング広告やSNS広告などのデジタル広告も含まれます。
このメディアの最大の特徴は、不特定多数のユーザーにリーチ可能であること。広範囲に多くの人々に情報を届け、新製品やサービスの認知度を一気に高めることができます。一方で、短期間かつ大規模に露出するため、広告費用が高額になることや、ターゲットの精度が甘いと無駄な広告費が発生するリスクを持っています。
そのため、近年はデジタルマーケティングの発展により、ターゲティング精度の高いペイドメディア活用へ転換が進み、費用対効果を最大化しながら幅広い認知獲得を目指すアプローチが主流となっています。
オウンドメディアの特徴と活用法
企業が自ら所有・管理し、コントロール可能なメディアであるオウンドメディアは、ホームページ、ブログ、メールマガジン、公式SNSアカウントなど多岐にわたります。
オウンドメディアの強みは、消費者に対して深く詳しい情報を継続的に届けられる点にあります。ペイドメディアで興味を持った潜在顧客をオウンドメディアへ誘導し、商品の特長や利用シーン、企業の価値観、ユーザー事例などを伝えて理解と信頼を醸成します。これにより、顧客ロイヤリティの向上や長期的な関係構築が可能です。
ただし、オウンドメディアは自主制作と運営が必要なため、コンテンツ制作の質や更新頻度が成果に直結します。企業は計画的なコンテンツマーケティング戦略のもと、SEO対策やユーザーエンゲージメント促進も重要課題として取り組む必要があります。
アーンドメディアとは？信頼と共感を生む消費者発信の力
アーンドメディアは、企業が直接管理できない消費者やメディアからの自然な情報発信を指します。例としてはSNSでの口コミ、レビュー、評価、ブログ記事、ニュースメディアでの取り上げなどが挙げられます。
このメディアは信憑性が高く、消費者間での共感や信頼を生み、それが購買行動に大きな影響を与えます。
オウンドメディアで育てたファンがアーンドメディアで発信することで、リーチが拡大し、第三者視点のポジティブな評判形成が促進されます。この好循環こそがトリプルメディア戦略の強力な後押しとなります。
一方、悪評やネガティブな口コミも拡散しやすいため、企業は迅速な対応や危機管理も求められる領域です。
トリプルメディア連携の成功事例
近年のトリプルメディア連携の成功例として、アメリカの半導体大手「インテル」の事例が挙げられます。インテルはオウンドメディアに掲載する121コンテンツを影響力のあるインフルエンサー24名に依頼し、ペイドメディアを活用して広範にプロモーションを行いました。インフルエンサーによるSNS拡散も併せて実施し、結果として110万以上のリーチと高い広告効果を達成しました。この取り組みは、三つのメディアが連動し、それぞれの強みを活かした高度なマーケティング成功例として知られています。
また、Red Bullはオウンドメディア中心のライフスタイルコンテンツ制作を通じ、スポーツや音楽イベントのスポンサーシップを活用し、ブランド認知とファン形成を実現。これに各種ペイド広告やユーザー発信を加えることで相乗効果を生み出しています。
Nikeも健康やスポーツをテーマにした充実したオウンドメディアやアプリを通じて顧客との接点を増やし、アーンドメディアを介してブランドロイヤルティを強化する戦略を展開しています。
トリプルメディアから派生するPESOモデルの進化
トリプルメディアは今なお有効なフレームワークですが、近年はより細分化し拡張した「PESOモデル」が注目されています。PESOモデルはPaid、Earned、Shared、Ownedの4つのメディア区分を設け、「Shared（シェアード）メディア」としてSNSやコミュニティが独立した位置付けとなっています。
この分離は、SNSユーザーが主体的に情報を拡散し、影響力を持つ重要なチャネルである現実を反映しています。企業はSNS戦略を強化し、インフルエンサー連携、UGC活用、双方向コミュニケーションに注力しながら、トリプルメディアとの融合を図ることが求められています。
まとめ
トリプルメディアは、企業が顧客接点を整理し、認知から理解、信頼へと消費者の購買行動を支援するフレームワークとして極めて重要です。
ペイドメディアで一気に認知を広げ、オウンドメディアで理解を深め、アーンドメディアを通じて評価・信頼を形成する流れが理想的なマーケティングコミュニケーションの姿です。
特に現在はデジタル・SNSの影響力拡大により、これらのメディアの連携の質と速度が成功のカギを握っています。マーケターはトリプルメディアの特徴を正確に理解し、その連携を戦略的に設計・運用することが今後の市場競争での優位性を決定づけます。
さらに進化したPESOモデルの概念を踏まえ、デジタルネイティブ世代の消費行動に適応した柔軟なコミュニケーション設計も注目すべきトレンドです。
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