この記事でわかること
UU(ユニークユーザー)は、Webサイトに実際に訪れた人数を示す重要指標です。本記事では、UUの基本的な意味やPVとの違い、計測方法の仕組みをわかりやすく解説。さらに、UUを活用したマーケティング現場での分析ポイントや、広告主やECサイトが新規ユーザー獲得や効果測定にUUをどのように活用しているか、代表的な事例も紹介します。
UU(ユニークユーザー)とは何か?その基本的な意味

UU(ユニークユーザー)とは、特定のWebサイトやページに「何人のユーザーがアクセスしたか」を示す数値・指標です。
この数値は、同じ人物が同じWebページに何度アクセスしても1人としてカウントされるのが特徴です。たとえば、Aさんが1日に3回、Bさんが5回アクセスしても、UUは「2」となります。
このように、UUは「アクセス数」や「ページビュー(PV)」とは異なり、「実際にどれだけの人数がサイトを訪れたか」を把握するための重要な指標となっています。
UU(ユニークユーザー)が重要視される理由
UUは、Webサイトの「人気度」や「リーチ(到達人数)」を測る上で不可欠な数値です。
PV(ページビュー)は、同じユーザーが何度もアクセスすればその分だけ増えますが、UUは重複を排除して「何人が訪れたか」を明確に示します。
たとえば、広告主がWebメディアに出稿する際、PVだけでなくUUも重視します。なぜなら、広告がどれだけ幅広いユーザーにリーチできるか、つまり「新規ユーザー獲得の可能性」を測るためにはUUが最適だからです。
また、UUの分析を通じて「どのチャネルから新規ユーザーが流入しているか」「リピーターと新規ユーザーの割合はどうか」など、マーケティング戦略の立案に直結する知見が得られます。
UUとPV・セッション・アクティブユーザー等の違い
UU(ユニークユーザー)とPV(ページビュー)、セッション、アクティブユーザーは混同されがちですが、それぞれ明確な違いがあります。
指標 | 計測対象 | 特徴 |
---|---|---|
PV | ページ | ページ閲覧ごとにカウント |
UU | 個別ユーザー | 同じ人は1回のみカウント |
セッション | 訪問単位 | 再訪ごとに追加カウント |
アクティブユーザー | 実際の利用者 | 操作や行動などアクションがあるユーザー数 |
リーチ | 情報到達対象 | 主に広告・SNSでのユニーク到達数 |
ユニークブラウザ | ブラウザ | ブラウザごとに別カウントされることがある |
このように、UUは「何人が訪れたか」、PVは「何回ページが表示されたか」、セッションは「何回訪問があったか」を示します。
両者を組み合わせて分析することで、「どのページが新規ユーザーに人気か」「リピーターが多いページはどこか」など、より深いサイト分析が可能になります。
UU(ユニークユーザー)の計測方法と仕組み

UUの計測には、アクセス解析ツールが利用されます。
Googleアナリティクスなどの主要ツールでは、主に「Cookie」や「IPアドレス」「ホスト名」などを組み合わせてユーザーを識別し、重複しない人数をカウントします。
- Cookieによる計測:Googleアナリティクスでは、ユーザーのブラウザにクライアントID(Client ID)という識別子をCookieとして保存し、同じブラウザ・デバイスからのアクセスであれば、複数回訪問しても1人のユーザーとしてカウントします。
- IPアドレス・ホスト名:IPアドレスやホスト名も識別に利用されますが、同じネットワークを複数人で共有している場合や、モバイル回線のようにIPアドレスが頻繁に変わる場合は、正確な人数を把握しきれないこともあります。
- ブラウザ情報・UUID:ブラウザの種類やバージョン、画面解像度、プラグイン情報などの複数要素を組み合わせることで、Cookieを無効にしているユーザーも識別できる場合があります。
ただし、ユーザーが異なるデバイスやブラウザからアクセスした場合や、Cookieが削除された場合、プライベートブラウジングでのアクセスなどは、別ユーザーとしてカウントされることがあります。
GA4(Google Analytics 4)では、クライアントIDに加えてGoogleアカウントやユーザーID(ログイン時)などを活用し、より精度の高いクロスデバイスのユーザー識別が可能になっています。
UU(ユニークユーザー)の注意点と最新動向

UUは「実際の人数」とは必ずしも一致しないという点に注意が必要です。
たとえば、1人のユーザーが自宅のパソコンとスマートフォンで同じサイトにアクセスすれば、2UUとカウントされる場合があります。逆に、家族で1台のパソコンを共有している場合は、複数人がアクセスしても1UUにしかなりません。
また、近年はプライバシー保護やCookie規制の強化、ブラウザのトラッキング防止機能の普及により、UUの計測精度が下がる傾向にあります。AppleのITP(Intelligent Tracking Prevention)やGoogleのサードパーティCookie廃止などの影響で、従来のCookieベースのUU計測が難しくなりつつあります。
そのため、現在では「ファーストパーティデータ」の活用や、ログインIDによるユーザー識別、AIによる重複排除など、より精度の高いUU計測手法が注目されています。
UU(ユニークユーザー)活用の現場事例
UUの指標は、さまざまなWebマーケティング施策の現場で活用されています。
たとえば、大手ニュースメディアでは、広告主へのレポートとして「月間UU数」を提示し、広告出稿の説得材料としています。
ECサイトでは、キャンペーン期間中のUU増加をKPI(重要業績評価指標)として設定し、新規ユーザー獲得施策の効果測定に活用しています。
また、BtoB企業のオウンドメディアでは、「新規UU数」と「リピーターUU数」を分けて集計し、見込み客の育成やリードナーチャリングの戦略立案に役立てています。
さらに、AIや機械学習による流入数分析の高度化も進んでおり、UUの推移や異常値を自動で検知したり、将来のUU数を予測する技術も実用化されています。
UUの分析で得られるマーケティング上の示唆
UUの推移を日別・週別・月別で分析することで、「どの施策が新規ユーザーの獲得につながったか」「どの流入チャネルが効果的か」など、マーケティング上の重要な示唆が得られます。
たとえば、SNS広告を強化した週にUUが大きく増加した場合、そのチャネルのROIが高いと判断できます。
逆に、UUが伸び悩んでいる場合は、新規ユーザー向けのコンテンツやキャンペーンの見直しが必要です。
また、PVとUUの比率(1人あたりの平均PV数)を分析することで、「新規ユーザーはどれだけサイト内を回遊しているか」「リピーターのエンゲージメントは高いか」なども把握できます。
UUの今後とマーケターへの提言

今後もUUはWebマーケティングの基礎指標として重要性を保ち続けますが、計測手法や活用法は進化し続けます。
Cookie規制やプライバシー強化の流れを受け、ファーストパーティデータやIDベースの計測、AIによる分析など、新しい技術の導入が求められています。
また、サーバーサイド測定や匿名化処理、同意管理プラットフォーム(CMP)の活用など、プライバシー配慮型の計測手法も普及しつつあります。
マーケターやWeb担当者は、UUの数値を鵜呑みにせず、その背景や計測ロジック、他の指標との関係性を理解したうえで、データドリブンな施策を設計していくことが重要です。
まとめ:UU(ユニークユーザー)はWebサイトの人気度とリーチを測る重要指標
UU(ユニークユーザー)は、Webサイトの人気度やリーチを測るうえで不可欠な指標です。
PVとの違いや計測の仕組み、最新の計測技術、現場での活用法を理解し、目的に応じて正しく使い分けることが、Webマーケティングの成果最大化につながります。
今後もテクノロジーやユーザー行動の変化に合わせて、UUの計測や活用手法は進化していきます。
「本当に知りたいのは、どれだけ多くの人にリーチできているか」という本質を忘れず、UUをマーケティング戦略の中核指標として活用していきましょう。
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