企業のSDGs事例が“見える”!可視化で注目される5つの先進企業を紹介

SDGs取り組みの「見える化」で差をつける!注目企業の具体事例まとめ

持続可能な社会の実現に向けて、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みは今や多くの企業にとって不可欠な経営戦略となっています。近年では、単なるスローガンやCSR活動にとどまらず、自社の事業活動そのものにSDGsを組み込み、成果やプロセスを「見える化」する企業が増加しています。

本記事では、SDGsの取り組みを「可視化」し、社会や消費者と共有することで新たな価値創造や信頼構築につなげている企業の事例を厳選してご紹介します。企業ごとの工夫や最新トレンドから、持続可能な未来へ向けたビジネスのヒントを探っていきましょう。

SDGsの取組具体例を可視化している企業まとめ1,【NEC】

NEC(日本電気株式会社)は、SDGs(持続可能な開発目標)への具体的な取り組みを通じて、社会課題の解決と持続可能な社会の実現に大きく貢献している企業です。ICT(情報通信技術)の力を最大限に活用し、さまざまな分野で先進的なソリューションを展開しています。

例えば、NECはカゴメ株式会社と連携し、ポルトガルの農場で衛星やドローン、各種センサーを駆使した農業のデジタル化を推進しています。これにより、農作物の収穫量の増加や栽培の効率化を実現し、「飢餓をゼロに」や「つくる責任 つかう責任」、「気候変動に具体的な対策を」など、複数のSDGs目標に寄与しています。

また、アフリカなどの途上国では、ワクチン接種記録の管理が困難なため、多くの子どもたちが適切な医療を受けられないという課題が存在します。NECはGaviワクチンアライアンスやSimprintsと協力し、1~5歳の幼児に対して指紋認証技術を導入。これにより、ワクチン接種状況の正確な把握と普及促進が可能となり、「すべての人に健康と福祉を」や「誰一人取り残さない」社会の実現に貢献しています。

さらに、NECは医療法人社団KNIと連携し、AIやIoTを活用した次世代型医療「デジタルホスピタル」の共創にも取り組んでいます。これにより、高齢化社会における医療や福祉の課題解決を目指しています。

会社名代表名URL
NEC(日本電気株式会社)森田 隆之https://jpn.nec.com/

SDGsの取組具体例を可視化している企業まとめ2【ウォータースタンド株式会社】

ウォータースタンド株式会社は、「未来の世代のためにより良い地球環境を引き継ぐ」ことをミッションに掲げ、持続可能な社会の実現に向けて積極的に取り組んでいる企業です。同社は浄水型ウォーターサーバーのレンタル事業を展開しており、これにより使い捨てプラスチックボトルの削減や環境負荷の軽減を図っています。特に、ボトルフリープロジェクトを通じて、2030年までに日本国内で30億本の使い捨てプラスチックボトル削減を目標に掲げている点が特徴的です。このプロジェクトは地方公共団体や企業と連携し、マイボトル利用の普及を促進しています。

また、ウォータースタンドは教育面でもSDGsの普及に注力しており、小学校から大学まで幅広い年代を対象にしたSDGs出前授業を実施していることも大きな特徴です。これにより、環境問題や資源の大切さを次世代に伝え、持続可能な社会づくりを支援しています。さらに、未来の世代と共にSDGsを考える「森のがっこう(Forest School)」という取り組みも展開し、環境意識の醸成を図っています。

このように、ウォータースタンド株式会社は「マイボトルを携帯する新しい文化を創り、プラスチックごみ問題に取り組む」ことを企業ビジョンに掲げており、子育て世代を中心に支持される製品とサービスを通じて、環境問題の解決と健康増進に貢献しています。

会社名代表名URL
ウォータースタンド株式会社本多 均https://waterstand.co.jp/

SDGsの取組具体例を可視化している企業まとめ3【リコージャパン】

リコージャパンは、事業活動とSDGs/ESGを同軸に据えた経営を推進し、全国の拠点で多様なサステナビリティ活動を展開しています。特に注目すべきは、SDGsの可視化と社内外への浸透に力を入れている点です。たとえば、和歌山支社ではマングローブ植林活動を社員が描いたイラストで表現し、複合機の販売台数に応じてイラストが完成していく仕組みを導入。これにより、社員や顧客がSDGsへの貢献を実感できる環境を整えています。

また、三重支社では「RICOHサステナ見える化ツール」を活用し、顧客のSDGs/ESG活動をヒアリングシートで顕在化。顧客とともにSDGsの課題を明確化し、今後の取り組みを具体化する支援を行っています。愛知支社では、省エネ機器の提供によるCO2削減や、削減量を杉の木の吸収量に換算して目標設定するなど、脱炭素社会の実現に向けた具体的なアクションも特徴的です。

さらに、働き方改革やダイバーシティ推進にも積極的で、テレワークやサテライトオフィスの活用、女性活躍推進プロジェクト「女性活躍PG あいちしゃちほ娘」や、協力企業・顧客と連携した「WAC(Woman Activity Consortium)」による地域イベント開催など、多様な人材が活躍できる職場環境づくりを実践しています。

地域社会への貢献活動も幅広く、自治体や地域企業と協力した清掃活動や障がい者支援、リサイクルプログラムへの参加、寄付つき自販機の設置など、SDGsの17目標の達成に向けて地道な取り組みを続けています。また、社員一人ひとりがSDGsを意識できるよう、社内の壁面やロッカーに目標を掲示し、日常的な意識づけを図っています。

リコージャパンのこれらの取り組みは、SDGsの可視化と実践を両立させ、顧客や地域とともに持続可能な社会の実現を目指す企業姿勢の象徴と言えるでしょう。

会社名代表名URL
リコージャパン株式会社鍋島健一https://www.ricoh.co.jp/sales/about

SDGsの取組具体例を可視化している企業まとめ4,【ベイヒルズ税理士法人】

ベイヒルズ税理士法人は、横浜を拠点に税務・会計・経営支援を行う中で、SDGs(持続可能な開発目標)達成に向けた積極的な取り組みを展開しています。2022年には「横浜市SDGs認証制度 Y-SDGs」の更新認定を受け、また神奈川県主催の「かながわSDGsパートナー」にも税理士事務所として初めて登録されるなど、地域社会と連携したSDGs推進の先駆的存在です。

同法人の特徴は、SDGs経営支援サービスを通じて中小企業の持続可能な経営をサポートし、具体的な経営課題の解決にSDGsを結び付けている点です。たとえば、SDGs導入支援や補助金・融資・計画認定の支援サービスを提供し、企業が自社の強みや社会的責任を明確にしながら成長できるよう伴走しています。

また、SDGs経営診断レーダーチャートという独自の可視化ツールを開発し、CSR(社会的責任)、イノベーション、レジリエンス、サステナビリティ、ディーセントワーク(働きがい)など五つの観点からクライアント企業の取組状況を診断・見える化しています。このレーダーチャートの活用により、経営者が自社のSDGsへの貢献度や課題を直感的に把握でき、次のアクションにつなげやすくなっています。

環境面でも、再生可能エネルギー100%の電力利用やクラウド会計ソフト・デジタル証憑の活用によるペーパーレス化、クールビズの実施など、オフィスワークの省エネ・省資源化を徹底しています。こうした取り組みは、単なる業務効率化にとどまらず、地球環境の保全にも寄与しています。

さらに、一般社団法人SDGs・ESG経営コンソーシアム(BOAF)を設立し、全国の税理士ネットワークを活用したSDGs経営の普及や、eラーニング講座の開発・提供にも注力。SDGsに関する動画コンテンツの制作・配信、オンラインセミナーの開催、オリジナルSDGsカレンダーの作成・配布など、情報発信にも力を入れています。

ベイヒルズ税理士法人は、SDGsの理念を自社の経営に取り入れるだけでなく、顧客企業や地域社会全体にその価値を波及させる役割を担っています。今後も、持続可能な社会の実現に向けて、税理士法人としての専門性を活かしたSDGs推進のリーダーシップが期待されています。

会社名代表名URL
ベイヒルズ税理士法人岡 春庭https://www.bayhills.co.jp/about/sdgs/

SDGsの取組具体例を可視化している企業まとめ5,【パナソニックホールディングス】

パナソニックホールディングスは、「A Better Life, A Better World」をブランドスローガンに掲げ、社会課題の解決と持続可能な社会の実現に向けて多角的なSDGsへの取り組みを進めています。その活動は、事業活動による価値提供責任ある事業活動の推進、そして会社と社員による社会貢献の三本柱で構成されています。

まず、事業活動の面では、100年先の未来を見据えた「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(Fujisawa SST)」の開発が象徴的です。ここでは、健康・福祉・教育・商業など多様な施設が連携し、住民一人ひとりのくらしを起点にした持続可能なまちづくりを実現しています。このプロジェクトは、内閣府の「SDGs未来都市」や「自治体SDGsモデル事業」にも選定され、国内外から高い評価を受けています。

また、クリーンエネルギー社会の構築にも積極的です。パナソニックは、水素エネルギー技術の研究開発を推進し、2009年には都市ガスから水素を取り出し家庭で電気とお湯を作る「エネファーム」を実用化。現在も水素社会の実現に向けた取り組みを続けており、再生可能エネルギーの普及やCO2削減にも大きく貢献しています。

さらに、責任ある資源利用として、製品リサイクルや再生資源の活用、投入資源の最小化などを徹底。メーカーとしての社会的責任を果たしつつ、グローバルなサプライチェーン全体で持続可能性を追求しています。特に、サプライヤーのサステナビリティ評価で世界トップ5%にランクインし、EcoVadisから6年連続でゴールド評価を獲得するなど、外部評価も非常に高い点が特徴です。

また、無電化地域への再生可能エネルギーの提供や、社員食堂での持続可能なシーフードの提供を通じて、教育・健康・収入向上、海洋資源保護といった幅広い社会課題にもアプローチしています。これらの活動は、従業員や地域社会の意識改革にもつながっており、消費行動の変革を促進しています。

パナソニックホールディングスは、ESG投資指標「MSCI ESG Leaders Indexes」や「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」の構成銘柄にも選ばれており、企業の社会的責任とサステナビリティ経営をグローバルに推進するリーディングカンパニーです。


会社名代表名URL
パナソニックホールディングス楠見雄規https://holdings.panasonic/jp/

まとめ

SDGsの具体的な取り組みを可視化している企業の事例をまとめてきましたが、各社とも自社の強みや業種特性を活かしながら、持続可能な社会の実現に向けて多様なアプローチを展開していることが分かります。特に、グローバルな事業展開や豊富なリソースを活かし、カーボンニュートラルやサプライチェーン全体の環境負荷低減、労働環境の改善など、複数のSDGs目標に同時に取り組むケースが目立ちます。

こうした企業の取り組みは、社会・経済・環境の三側面を統合的に推進するSDGsの理念そのものです。今後も「誰一人取り残さない」社会の実現に向けて、企業が果たす役割はますます重要になっていくでしょう。各事例が新たな挑戦やヒントとなり、より多くの企業がSDGs達成に向けたアクションを可視化し、社会全体で持続可能な未来を築いていくことを期待します。

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